雨風太陽

株式会社雨風太陽

概要と事業内容

株式会社雨風太陽は、日本の企業であり、主に生産者（農家や漁師など）と消費者とを直接結びつけるユニークな事業を展開しています。2015年2月、岩手県花巻市にて株式会社KAKAXIとして設立されました。現在の本社機能は東京都渋谷区に置かれていますが、設立の地である岩手県花巻市には登記上の本店が置かれています。

同社の中心的な事業は、2016年9月に正式にサービス提供が開始された産地直送プラットフォーム「ポケットマルシェ」です。このプラットフォームは、ウェブサイトおよびスマートフォンアプリを通じて提供されており、全国各地の生産者が丹精込めて育てた農産物や、海や川で獲れた新鮮な魚介類などを、消費者が直接購入できる仕組みを提供しています。これにより、流通の中間過程を可能な限り省き、生産者は適正な価格で販売機会を得るとともに、消費者は生産者の顔やこだわりを知った上で、安心安全な食材を手に入れることができます。また、プラットフォーム上での生産者と消費者の間の直接的なコミュニケーションも促されており、関係性の構築を重視しています。

「ポケットマルシェ」以外にも、食や地域に関連する多角的な事業を手掛けています。2020年4月には、食の作り手と食べ手を繋ぐ情報誌として知られる「食べる通信」事業を、NPO法人東北開墾および一般社団法人日本食べる通信リーグからそれぞれ譲り受けました。「食べる通信」は、単なる情報誌にとどまらず、掲載された食材が実際に送られてくるという特徴を持ち、読者が食材の背景にあるストーリーを深く理解することを促します。

さらに、2021年9月には、産直の仕組みを活用したふるさと納税サイト「ポケマルふるさと納税」をリリース。地域への貢献を促しつつ、魅力的な地域産品を届けるサービスを展開しています。2022年7月からは、都市部の親子が地方に滞在し、その土地ならではの暮らしや自然、文化を体験する「ポケマルおやこ地方留学」プログラムも開始。これは2022年6月に旅行業登録を行ったこととも関連しており、地域と都市の関係人口を創出し、活性化を目指す取り組みの一環と言えます。

沿革

株式会社雨風太陽の歩みは、2015年2月に岩手県花巻市で株式会社KAKAXIとして設立されたことに始まります。翌2016年3月には、現在の主要サービス名を冠した株式会社ポケットマルシェへと商号を変更しました。同年6月には、より広範な活動を見据え、東京都中央区に東京オフィスを開設。そして、企業活動の核となる「ポケットマルシェ」アプリが2016年9月に満を持して配信開始されました。

事業規模の拡大に伴い、2019年3月には東京オフィスを現在の所在地である東京都渋谷区へと移転しました。2020年4月には、「東北食べる通信」および「日本食べる通信リーグ」の事業を継承し、食に関する情報発信とコミュニティ形成の領域を強化。

新たなサービスの開発も積極的に進められ、2021年9月には「ポケマルふるさと納税」を、2022年7月には「ポケマルおやこ地方留学」をそれぞれリリースしました。そして、2022年4月には、企業理念をより体現する名称として、現在の商号である株式会社雨風太陽へと変更を行いました。

その後の大きな出来事として、2023年12月には東京証券取引所グロース市場への株式上場を果たし、企業としての成長性と社会的な認知度を一層高めています。

メディア・書籍

同社の事業や理念は多方面から注目されており、メディアでも紹介されています。例えば、テレビ東京系列の経済番組「日経スペシャル カンブリア宮殿」では、2022年11月10日放送回にて、「テレ東経済WEEK グローバルの終焉、ローカルの覚醒」というテーマの中で取り上げられています。

また、創業者である高橋博之氏や、同社が関わる「食べる通信」の活動に関する書籍も複数出版されており、その思想や取り組みが広く紹介されています。代表的なものとして、『だから、ぼくは農家をスターにする』、『都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡』、共著の『共感資本社会を生きる』などがあります。これらの書籍は、同社が目指す生産者と消費者、そして地域社会の関係性構築に対する考え方を理解する上で、重要な参考資料となっています。

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