雪山の絆

映画『雪山の絆』について

『雪山の絆』（原題：La sociedad de la nieve）は、1972年にアンデス山脈で発生した航空機墜落事故を題材にした、J・A・バヨナ監督による2023年のサバイバル・スリラー映画です。パブロ・ビエルシによる同名の著書を原作とし、生存者16人全員の証言を基に、極限状態での人間の決断と絆を描いています。出演者はウルグアイとアルゼンチンの俳優で構成され、その多くが新人です。

概要

監督: J・A・バヨナ
原作: パブロ・ビエルシ『雪山の絆』
公開: 2023年12月に劇場公開後、2024年1月にNetflixで配信
評価: 批評家から高評価を得ており、第96回アカデミー賞では国際長編映画賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネート

あらすじ

1972年、チリのサンティアゴへ向かうウルグアイ空軍機571便が、アンデス山脈の中心部に墜落します。乗員・乗客45名のうち、生存者はわずか16名。極寒の地で食料も尽きる中、彼らは生き残るために究極の決断を迫られます。それは、人間の尊厳を揺るがす「食人」という行為でした。絶望的な状況下で、彼らはどのように生き延びようとしたのでしょうか。

キャスト

主要キャストは以下の通りです。彼らの熱演が、作品にリアリティを与えています。※（）内は日本語吹替

制作の舞台裏

監督のバヨナは、2012年の映画『インポッシブル』の取材中に原作となる書籍に出会い、映画化を決意。生存者全員への100時間以上のインタビューを基に、映画は制作されました。出演者は生存者や犠牲者の家族と交流し、役作りに励んだそうです。

撮影は、スペインのシエラネバダ、ウルグアイのモンテビデオ、そしてアンデス山脈の実際の墜落現場などで行われました。雪不足や砂塵に見舞われるなど困難な状況下での撮影でしたが、飛行機の残骸のレプリカを3機使用するなど、徹底したこだわりが感じられます。総撮影日数は138日、製作費は6500万ユーロ以上と報じられています。

特殊メイクには、映画『パンズ・ラビリンス』でアカデミー賞を受賞したデヴィッド・マルティとモンツェ・リーベが参加。義肢や傷をリアルに表現し、作品の臨場感を高めました。

公開と評価

『雪山の絆』は、第80回ヴェネツィア国際映画祭のクロージング作品として上映され、ワールドプレミアを迎えました。その他、数々の映画祭で上映され、高い評価を得ています。

批評家からは、現実の悲劇を卓越した技術力で描き、シンプルで力強いメッセージを伝えていると評されています。Rotten Tomatoesでは91%の高評価を得ており、Metacriticでも72/100という評価を得ています。

その他

音楽: 映画音楽も作品の雰囲気を盛り上げています。
関連作品: 過去にもこの事故を題材とした映画『生きてこそ』があります。

『雪山の絆』は、過酷な状況下での人間の強さ、そして生きる意味を問いかける、衝撃的な作品です。ぜひ、ご覧ください。

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