雲南府

雲南府の歴史

雲南府は、中国の歴史において重要な役割を果たした行政区画であり、その歴史は複数の王朝にまたがっています。現在の雲南省昆[[明市]]を中心とする地域に、明代から民国初頭にかけて存在しました。

南詔と大理国時代

この地域の歴史は、南詔時代にまで遡ります。南詔は、この地に鄯闡府を設置しました。その後、大理国も引き続き鄯闡府を継承し、この地域は重要な拠点として機能しました。

モンゴル帝国（元）時代

13世紀、モンゴル帝国がこの地域を支配下に置くと、1255年に昆明県に善闡万戸府が置かれました。この万戸府は、1270年に善闡路に昇格し、さらに1276年には中慶路と改称されました。中慶路は、雲南等処行中書省に属し、録事司と直属の昆明・富民・宜良の3県、そして晋寧州、安寧州、昆陽州、嵩明州の管轄下に置かれ、合計1司4州11県を統括する広大な地域を管轄しました。

明朝時代

1382年、明朝が成立すると、中慶路は雲南府と改められました。雲南府は雲南省に属し、直属の昆明、富民、宜良、羅次の4県と、晋寧州に属する呈貢、帰化の2県、安寧州に属する禄豊県、昆陽州に属する三泊、易門の2県、そして嵩明州を管轄しました。この時点で、雲南府は4州9県を統括する重要な行政区画としての地位を確立しました。

清朝時代

清朝時代も、雲南府は雲南省に属し、昆明、富民、宜良、羅次、呈貢、禄豊、易門の7県と、晋寧州、安寧州、昆陽州、嵩明州の4州を管轄しました。この時代も、雲南府は地域の中核としての役割を担い続けました。

中華民国時代

1913年、中華民国が成立すると、雲南府は廃止され、その歴史に幕を閉じました。しかし、雲南府が築き上げてきた地域構造や文化は、現代の雲南省にもその影響を残しています。

まとめ

雲南府は、その歴史を通じて、複数の王朝にまたがり、様々な行政区画の変遷を経て、雲南省の中心的な地域として重要な役割を果たしました。南詔、大理国、モンゴル帝国（元）、明、清、そして中華民国へと続く歴史の中で、その名称と管轄地域は変化しましたが、常にこの地域の政治、経済、文化の中心であり続けました。その歴史は、中国の地方行政制度の変遷を理解する上で、非常に重要な事例の一つと言えるでしょう。

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