雲南料理

雲南料理

雲南料理は、中国雲南省の地方料理であり、その多様性が特徴です。四川料理の影響を受けた漢族の料理と、ペー族、タイ族、イ族、ナシ族などの少数民族の料理が融合しています。

概要

漢族の料理は四川料理の流れを汲み、唐辛子を多用した辛い料理が多い一方で、汽鍋鶏（チーグオジー）のようにあっさりとしたスープ料理も存在します。雲南省はキノコの宝庫としても知られ、昆明の木水花野生菌市場には250種類もの食用キノコが流通しています。干巴菌、鸡枞菌、牛肝菌、见手青、羊肚菌、青头菌などが代表的な品種です。近年では、日本からの影響でマツタケを刺身で食べる習慣も広まっています。出汁には鶏肉の他、宣威火腿（雲南ハム）もよく使われます。

タイ族やペー族の料理も唐辛子を多用する傾向があり、漢族の料理と共通する点も多く見られます。また、雲南省では昆虫食も盛んで、ハチや「竹虫」（タケツトガの幼虫）、カイコの素揚げなどがレストランで提供されることもあります。

その他、鮮花餅や過橋米線などが雲南料理としてよく知られています。

ペー族のルーシャン（乳扇）やルービン（乳餅）といったチーズの一種は、漢族料理にも取り入れられています。

主な料理

漢族

過橋米線: 昆明名物のライスヌードルで、熱いスープに様々な具材を入れて食べる料理です。
汽鍋鶏: 鶏肉を蒸して作るスープで、あっさりとした味わいが特徴です。
宜良烤鴨: アヒルのローストです。
石屏豆腐
官渡粑粑: 昆明市官渡区の郷土料理で、ゴマ、ラッカセイ、クルミなどを砕いて包んだおやきです。
餌絲: ウルチ米ともち米の粉で作るうどん風の麺で、ライスヌードルの一種です。
餌饋: ウルチ米ともち米の粉で作る薄い餅です。
巻粉: ウルチ米ともち米の粉で作る幅広のライスヌードルで、筒状に巻いて提供されます。
菠蘿飯: パイナップルをくりぬいて、蒸したもち米や黒米などを詰めたご飯料理です。

ペー族

ルーシャンのパリパリ揚げ（炸乳扇）
エンドウ豆のところてん風（黄豆凉粉）
ヒヨコマメのところてん風（鶏豆凉粉）

タイ族

タケツトガの幼虫の素揚げ（炸竹虫）
鶏肉のライムハーブ和え(檸檬鶏): タイ東北部やラオスにラープという類似の料理があります。

他地方での普及

雲南料理は中国各地の大都市や台湾、香港などで人気があり、過橋米線をメインとする雲南料理店が多く見られます。日本でも東京などに数店舗存在します。

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