雲南省 (中華民国)

雲南省の歴史と行政

雲南省（うんなんしょう）は、中華民国時代に存在した省であり、現在の雲南省全域に加え、一部の四川省攀枝花市やミャンマー北部山岳地帯もその管轄下に置かれていました。東側では貴州省や広西省、北側では四川省、西康省、南側や西側ではインドやビルマと接しています。

管轄区域の特色

雲南省は、豊かな自然環境と多様な民族が住む地域で、特にその地理的重要性が際立ちました。国際的にはイギリスの植民地インド及びビルマ、フランスの植民地インドシナと接していたため、外交上の役割も重要でした。

行政の変遷

1911年、辛亥革命が勃発すると、滇軍によって清朝の官吏が駆逐され、雲南大漢軍政府が成立しました。この革命において、蔡鍔が軍政府の都督に就任し、雲南省の自治が進展しました。その後、1913年には民政長が設置され、民政や財政に関する機関が整備され、翌年には一時的に名称が変更されるなど、管轄機関の名称や役割も何度か変更されました。

1916年には、「巡按使」が省長に改称され、政務や財務の庁が設置されました。1927年には、国民党中央政治会議によって雲南省政務委員会が設立され、さらには政策面でも国民政府との結びつきが強まりました。

1949年には共産党勢力によって雲南の大部分が「解放」され、以降中華民国は実効支配を失いましたが、反共勢力である雲南反共救国軍はゲリラ戦を続けました。この反共軍は、人民解放軍の攻撃を受けつつも、1954年までに約7000人が台湾に移住しました。

省会と行政区画

雲南省の省会は、1935年3月までは昆明県に設置され、その後昆明市に移りました。巳いて歴代省長がその役割を果たしました。当時の行政区画も複雑で、各道が設置されていました。清代には4つの道が設けられ、辛亥革命後はその一つが廃止されました。1914年には新たな名称が付与され、さらに新たに道が追加されるなど、行政区画も時代と共に変遷しました。

県級行政区画の詳細

中華人民共和国成立直前、雲南省は113の県と1つの市、及び15の設治局を管轄していました。県の中には、知名な観光地も多数存在し、歴史的な文化も色濃く残っている地域です。

名のある県としては、昆明市をはじめ、安寧県、威信県などがあり、その多くは明確な歴史と特徴を持っています。

殖辺督弁署の設置

雲南省は当時の政治的環境から国境防衛や外交的な意義を強く持ち、1929年には独自に第一（滇西）殖辺督弁署と第二（滇南）殖辺督弁署を設立しました。これにより、国境地域での行政や経済、教育が一層強化されました。

1938年にこの制度は廃止されましたが、このような特異な体制は中華民国の政治の複雑さを示すものです。

まとめ

雲南省は中華民国の中で重要な役割を果たし、辛亥革命以降の時代背景を踏まえた独自の行政解釈が行われていました。地域に根ざした歴史と文化は、今日でも多くの人々に引き継がれています。

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