雲居希膺

雲居希膺の生涯と業績

雲居希膺（うんごきよう）は、天正10年（1582年）に土佐国で生まれ、万治2年（1659年）に逝去した日本の臨済宗の僧侶です。俗姓は小浜氏で、別号として「把不住軒」を持つことからも彼の深い修行と言葉の技術をうかがわせます。彼は妙心寺の住持を務めただけでなく、瑞巌寺や石馬寺の中興開山、さらには大梅寺の開山にも貢献しました。彼の教えは「念仏禅」として知られ、より広く庶民に親しまれることとなりました。

出家と修行の道のり

希膺は9歳の時に宇山大平寺で出家を果たします。その後、彼は東福寺や大徳寺など、日本の禅宗の名刹を渡り歩き、厳しい修行に励みました。特に、慶長11年（1606年）には愚堂東寔や大愚宗築といった著名な禅僧のもとで修行を重ね、虎哉宗乙や物外招播といった他の僧侶とも親交を深めます。

元和2年（1616年）に彼は妙心寺蟠桃院の一宙東黙から嗣法を受け、さらなる高みを目指しました。その後、彼は大阪の陣において豊臣秀頼に仕官し、佐蔵主と名を変え城に籠城します。戦の終息後、若狭国小浜や摂津国勝尾山にて隠遁し、静かな修行の時期を過ごします。

大悟と教化の道

元和7年（1621年）には妙心寺で開堂の儀を行うものの、自身の境涯に満足できず、さらなる修行の道を選びます。寛永9年（1632年）、51歳の時に越智山で座禅を行っている最中、大悟へと至ります。この経験が彼に新しい力を与え、寛永13年（1636年）には伊達忠宗の招請によって奥州へ移ることとなり、松島の瑞巌寺を再興します。

その後、正保元年（1644年）には石馬寺を中興し、正保2年（1645年）には妙心寺の153世住持となります。さらに、慶安3年（1650年）には愛子の大梅寺を開くなど、寺院復興に尽力しました。

死と遺産

万治2年（1659年）には大梅寺にてその生涯を閉じ、葬られました。彼は死後に「慈光不昧禅師」、「大悲円満国師」と贈諡され、その教えは忘れられることはありませんでした。また、彼は念仏を通じて庶民に教化を施し、その宗風は「念仏禅」として広まります。

著作には『般若心経大意』があり、法嗣には洞水東初、南明東湖、香山祖桂などが名を連ねます。彼の教えや業績は、現在でも多くの人々に影響を与え続けています。

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