雲峰寺

雲峰寺の概要

雲峰寺（うんぽうじ）は、山梨県甲州市に位置し、臨済宗妙心寺派に属する仏教寺院です。山号は裂石山（さけいしざん）で、本尊として十一面観音像が祀られており、地元では「裂石観音」として親しまれています。

歴史

雲峰寺の歴史は古く、甲府盆地の東部にある笛吹川支流の重川上流部に立地しています。寺の outskirts には、青梅往還に沿った登山道が通っており、かつては多くの巡礼者が訪れたことでしょう。伝説によると、寺は天平17年（745年）に行基が創設したとされ、巨大な石が割れ、一夜にして生えた萩木から本尊の十一面観音を彫り出したと言われています。

室町時代には、恵林寺の住職である絶海中津が観音堂の改修のために寄付を募った記録があります。この時期には、恵林寺の末寺として臨済宗に改宗され、寺の形態が大きく変わったことが考えられます。戦国時代には、甲府が甲斐を守る武田氏の本拠地となり、雲峰寺はその鬼門として武田家の祈願所となりました。そのため、寺にとって重要な位置づけでした。

火災に遭った天文年間には、紹謹禅師の努めや武田信虎・信玄の支援を受けて復興され、以降も武田家からの厚い信任を得ていました。特に、永禄元年（1558年）の9月25日、武田晴信が住職に武運長久を願うよう命じた記録が残っています。

御旗

1582年、武田勝頼が滅亡した際、武田家の家宝である「日の丸の御旗」や「孫子の旗」、「諏訪神号旗」、「馬標旗」などが雲峰寺に運ばれたとされています。特にこの旗は、武田家の力を示す重要な文化遺産であり、現在でも6旒が保存されており、山梨県の指定文化財となっています。寺宝として、宝物殿で見ることができ、訪れる人々にその史実を伝えています。

伽藍

雲峰寺の伽藍は多岐にわたり、以下の建物が含まれます：

• - 本堂：室町時代後期に建立されたもので、入母屋造りの特徴的な構造です。1949年に国の重要文化財に指定されました。
• - 庫裏：江戸時代前期の建築で、切妻造の屋根が特徴です。こちらも1949年に重要文化財に指定。
• - 書院：江戸時代中期に建てられた建物で、寄棟造りが特徴です。文化財として評価されています。
• - 仁王門：三間一戸八脚門となっており、室町時代後期の建築様式が反映されています。

交通

雲峰寺へのアクセスは、塩山駅から大菩薩登山口行きのバスを利用し、終点で降りてから徒歩で約5分で到着することができます。自然に囲まれたこの寺院は、訪れる人々に静けさと歴史を感じさせてくれる場所となっています。山梨の美しい風景の中で、心を落ち着けるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

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