天平

天平（てんぴょう）

天平は、日本の元号の一つで、神亀の後、天平感宝の前に位置します。この時代は729年から749年までの約20年間にわたり、聖武天皇が治めました。天平の時代は奈良時代の最盛期であり、数々の文化的・歴史的な出来事が展開されました。この期間は、特に東大寺や唐招提寺など、後の奈良文化の礎となる重要な文化財が残されています。そのため、この時代に成熟した文化を「天平文化」と称することが一般的です。

改元の背景

天平元年は、神亀6年の8月5日（ユリウス暦729年9月2日）に開始されました。この日は、瑞亀の献上がきっかけとなり、元号が天平に改められました。その後、天平21年の4月14日（749年5月4日）に天平感宝に改元されます。改元のきっかけは、瑞亀と呼ばれる亀が出現したことです。

重要な出来事

天平元年（729年）

• - 8月5日: 瑞亀の出現によって天平と改元。
• - 8月10日: 聖武天皇は藤原光明子を皇后に立てる詔を出しました。

天平2年（730年）

• - 1月13日: 大伴旅人の家で宴会が開催される。
• - 9月: 諸国の防人を停止する。

天平3年（731年）

• - 3月: 諏方国が廃止され、信濃国に併合。
• - 8月5日: 舎人親王が人材不足を訴え、良い人材を推薦するよう要請。

天平5年（733年）

• - 正月に県犬養橘三千代が薨去し、従一位が贈られる。

天平7年（735年）

• - 新田部親王と舎人親王が相次いで死亡し、九州で天然痘が流行。

天平9年（737年）

• - 4月: 参議藤原房前が死亡。
• - 8月: 藤原宇合ら藤原四兄弟が次々と死去し、天然痘による疫病が社会に重大な影響を与えました。

天平10年（738年）

• - 1月13日: 聖武天皇と光明皇后の娘が皇太子に任命されます。

天平12年（740年）

• - 5月: 聖武天皇が橘諸兄の別荘へ行き、息子に従五位下を授ける。
• - 8月29日: 藤原広嗣が国政への意見書を提出し、後に反乱とされる。

天平14年（742年）

• - 大宰府が廃止されます。

天平15年（743年）

• - 5月27日: 墾田永年私財法が施行され、農業政策が大きく変わります。

天平16年（744年）

• - 2月26日: 難波京へ遷都が行われました。

天平17年（745年）

• - 1月: 紫香楽宮への遷都が実施され、続いて平城京に還都。

天平20年（748年）

• - 元正上皇が崩御します。

天平21年（749年）

• - 重要な事象として、聖武天皇、光明皇后、藤原宮子が出家しました。

結論

天平の時代は、奈良時代の最盛期として位置づけられ、多くの文化的成果を残しました。この元号の時期に生まれた文化や政策は、日本の歴史における重要な基盤を形成しました。

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