雲鷹 (空母)

雲鷹（うんよう）：特設航空母艦の歴史

雲鷹（うんよう）は、日本海軍の特設航空母艦であり、その前身は新田丸級の豪華客船である八幡丸です。八幡丸は1940年7月31日に竣工され、太平洋戦争が激化する中で日本海軍に徴用され、空母へと改造されました。1941年11月には特設航空母艦として航空機の輸送任務に従事し、その後、日本と南東アジアを結ぶ重要な輸送路で活躍しました。

建造と改造

八幡丸は日本郵船によって建造され、世界大戦の影響で予定されていた商業運行には乗り出せませんでした。しかし、徴用を経て呉海軍工廠で空母としての改装が行われ、1942年には特設航空母艦として新たな任務に就くことが決定しました。改造後、最初の任務はラバウルへの航空機輸送で、ここにおいて零式艦上戦闘機や九九式艦上爆撃機を運ぶことになりました。

後の活動と海軍籍編入

八幡丸は1942年8月31日に正式に軍艦籍に編入され、雲鷹と改名されました。本艦はその後、主に航空機の輸送任務に従事し、トラック島やラバウル方面へのフライトを繰り返しました。1943年にはこの活動が評価され、海上護衛総司令部に編入されることが決定されます。

戦闘と最期

1944年1月19日、海上でアメリカ海軍の潜水艦ハダックの攻撃を受け、大破しました。修理の後、8月には護衛任務に復帰しますが、9月17日、今度はまたアメリカ潜水艦バーブの攻撃を受け、二度目の被雷が致命的な結果をもたらしました。沈没時には多くの乗員が犠牲になり、軍艦雲鷹は戦史に名を刻むこととなります。

まとめ

雲鷹という艦船は、軍事的な用途への再利用を示す一例であり、戦時中に特設航空母艦として行動した艦艇の中でも特に重要な役割を果たした艦でした。戦争の終焉が迫る中、彼女は南方への航空機輸送という任務に尽力し、その最後は多くの衝撃を与えました。この艦は、特設艦として艦隊に貢献し続けた様々な姿を持つ日本海軍の記憶とともに語り継がれる存在です。

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