雷神社 (横須賀市)

横須賀市追浜に位置する雷神社は、古くからこの地に鎮座する神社です。主祭神として火雷命（ほのいかづちのみこと）をお祀りしており、雷神として信仰を集めています。

名称について

神社の正式な読み方については諸説あり、「いかづちじんじゃ」が本来の読み方であるとも言われますが、定かではありません。古い文献には「雷電大明神」や「雷電神社」と記されている例も見られます。現在では、地元の人々を中心に「かみなりじんじゃ」という呼び方が広く用いられ、親しまれています。

歴史

雷神社の創建は、平安時代にあたる承平元年（931年）と伝えられています。その起源は、現在の横浜市金沢区六浦東から追浜本町付近にあったとされる「室の木」の「天神ヶ崎」という場所に祀られていた天神社に遡ると言われています。その後、永禄年間（1558年-1570年）に、字「苗割」の地へ移され、この時に「雷神社」と称するようになったという伝承もあります。

現在の場所に社殿が移されたのは、天正9年（1581年）のこと。朝倉能登守によって行われたこの遷座以前、社殿は当時離れ小島であった築島（現在の追浜町3丁目付近）にありました。築島には、今も黒焦げた姿で残る柏槇（びゃくしん）が、当時のご神木として伝えられています。火雷神がこの地へ勧請された時期については、この天正9年の遷座の際とする資料も見られます。

江戸時代に入り、宝永4年（1707年）には社殿が再建されました。明治時代初期には、かつての天神社が雷神社に合祀され、神社の歴史に新たな一ページが加わります。旧社殿は木造、草葺きでしたが、惜しくも昭和23年（1948年）または昭和30年（1955年）に焼失してしまいました。現在の鉄筋コンクリート造りの社殿は、昭和35年（1960年）に再建されたものです。

境内

広々とした境内には、樹齢400年を超えると言われるご神木の銀杏がそびえ立ち、神社の長い歴史を見守っています。また、境内には主祭神をお祀りする社殿の他、いくつかの境内社や施設が設けられています。

稲荷社
戦没者慰霊碑
* 浜空神社：旧追浜海軍航空隊の守護神であった鳥船神社を前身とし、平成20年（2008年）に現在の地へ遷座しました。

地域との結びつき

雷神社は、地域の守り神として地元の人々に大切にされています。神社の名前をもじったユニークな取り組みとして、2013年からは周辺の飲食店でオリジナルのカクテル「雷ジンジャー」が提供されており、地域活性化の一助ともなっています。このように、古くからの歴史と現代の文化が融合した、地域に根差した神社と言えるでしょう。

交通アクセス

雷神社へは、京浜急行電鉄京急本線追浜駅より徒歩約5分と、比較的容易にアクセスできます。

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