電人M

電人M

『電人M』は、1960年に江戸川乱歩によって執筆され、月刊娯楽雑誌「少年」（光文社）に連載された少年向け推理小説です。この物語は、複雑なプロットと魅力的なキャラクターが織り成す、子供たちを惹きつける冒険が展開されます。

概要

物語の中心には、怪人二十面相が位置し、彼は電気の国の大美術館の建設に関連して、世界中から美術品を盗み出すロボット「電人M」として活動しています。二十面相の部下は約100名にも及び、さまざまな方法で冒険に彩りを加えます。特に、物語では「遠藤粒子」と呼ばれる新たな兵器が登場します。この兵器は、爆発が引き起こす効果が約5時間続き、その間周囲の生物を仮死状態にしてしまう特性を持っていますが、遠藤博士自身がその悪用を恐れ、使用を封印する決意をします。

この作品は、科学技術の進歩とその悪用の危険性についても考察しており、少年たちに向けた大切なメッセージを含んでいます。

あらすじ

物語の舞台は、東京です。ここで、6本足のタコのような火星人や奇妙な人型ロボットが出現し、「月世界旅行をしましょう」とメッセージを残す犯罪が続発します。若き探偵である小林少年は、「電人M」と名乗る者からの電話を受け、ビルの屋上でそのロボットと対面します。実はこれらの行動は、無許可で開催されている月世界旅行の宣伝行為に過ぎないことが判明しますが、さらに深い陰謀が潜んでいることに気づきます。

同時に、遠藤博士の研究所でも火星人やロボットが出現し、博士の家族は驚愕します。電人Mは博士に対し、自身の研究を譲渡するよう脅迫します。これにより、博士の息子が誘拐される事態が発生します。小林少年は少年探偵団の仲間たちとチームを組み、電人Mの乗る車を追い詰めますが、密室の車庫からその車も息子も消えてしまうという不可思議な現象が起こります。

その後、明智小五郎が登場し、消失の謎を解明します。最終的に、遠藤博士の助手に化けた二十面相が絡んでいることが判明しますが、二十面相は明智たちの手を逃れます。明智探偵は、電人Mの隠れ家が月世界旅行のテーマパークの地下にあることを突き止め、遠藤博士は自身の研究を用いることで、二十面相の逮捕を決意します。

関連項目

この物語は「美少年シリーズ」の中でも特に人気があり、9巻では『美少年M』がタイトルに。江戸川乱歩の作品自体がこのシリーズの基盤となっています。

外部リンク

『電人Ｍ』は、青空文庫にて新字新仮名で読むことができます。昔ながらの推理小説の雰囲気を味わいながら、江戸川乱歩の世界に浸ることができるでしょう。

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