電気の武者

アルバム『電気の武者』について

『電気の武者』（原題：Electric Warrior）は、1971年にイギリスのロックバンドT・レックスがリリースしたスタジオアルバムです。この作品は、バンドが「ティラノザウルス・レックス」から改名後の2作目であり、全体としては6作目に該当します。アルバムは、バンドの特色を強く表現したもので、多くのファンに愛されています。

アルバムの背景

T・レックスは、イアン・マクドナルドやリック・ウェイクマン、ハワード・ケイラン、マーク・ボルマンといった著名なミュージシャンをバックに迎えてレコーディングを行いました。ジャケットデザインは、著名なデザインスタジオ「ヒプノシス」が手がけ、視覚的にも魅力のある一枚となっています。

このアルバムは、母国イギリスにおいて全英アルバムチャート1位を8週にわたり保持し、商業的にも成功を収めました。アメリカでも初めてトップ40入りを果たし、最高32位を記録。日本でも1971年12月にリリースされた初回盤がオリコンLPチャートで46位に達し、その後の1972年5月には再リリースされて最高19位を記録しました。

ヒットシングル

『電気の武者』からは「ゲット・イット・オン」（全英1位、全米10位）や「ジープスター」（全英2位）といったシングルがリリースされ、これらも大ヒットとなりました。特に「ゲット・イット・オン」は後にアメリカのバンドであるパワー・ステーションによってカバーされ、再び注目を浴びました。

アルバムは音楽的にも革新性があり、『ローリング・ストーン』誌が選ぶオールタイム・グレイテスト・アルバム500においては160位にランクインされています。マーク・ボランは1971年のインタビューで「このアルバムを聴けば、僕たちの人気の理由がわかる」と言及しており、彼自身がこの作品に大きな自信を持っていたことが伝わります。

収録曲の紹介

アルバムの収録曲はすべてマーク・ボランによって作られています。曲目は以下のとおりです：

1. マンボ・サン - Mambo Sun - 3:42
2. コズミック・ダンサー - Cosmic Dancer - 4:30
3. ジープスター - Jeepster - 4:12
4. モノリス - Monolith - 3:49
5. リーン・ウーマン・ブルース - Lean Woman Blues - 3:02
6. ゲット・イット・オン - Get It On - 4:26
7. プラネット・クイーン - Planet Queen - 3:14
8. ガール - Girl - 2:33
9. モティヴェイター - The Motivator - 4:01
10. ライフ・イズ・ア・ガス - Life's a Gas - 2:25
11. リップ・オフ - Rip Off - 3:42

また、30周年記念エディションにはボーナストラックが含まれ、実験的なバージョンも楽しむことができます。

参加ミュージシャン

このアルバムには以下の主要な参加者がいます：

• - マーク・ボラン - ボーカル、ギター
• - ミッキー・フィン - パーカッション、ボーカル
• - スティーヴ・カーリー - ベース
• - ビル・レジェンド - ドラムス

さらに、イアン・マクドナルド（サックス）、バート・コリンズ（フリューゲルホルン）、リック・ウェイクマン（キーボード）、ハワード・ケイラン、マーク・ボルマン（バックボーカル）といったゲストミュージシャンも参加しています。

『電気の武者』は、T・レックスの音楽史において重要な位置を占める作品であり、今でも多くのファンに影響を与え続けています。

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