電波研究所

電波研究所（Radio Research Laboratory：RRL）

電波研究所は、かつて存在した日本の国立研究機関であり、電波に関する広範な研究、標準[[電波]]の発射、無線機器の型式検定および技術基準適合証明などを主な業務としていました。その歴史は、1896年（明治29年）に逓信省電気試験所での無線電信研究開始に遡ります。

発足と組織

1952年（昭和27年）8月1日、電波研究所は郵政省の付属機関「郵政省電波研究所」として正式に発足しました。この時、電離層や電波伝搬の研究を行う電波観測所、標準[[電波]]の発射、電波技術の調査研究、無線機器の型式検定などの部門が統合され、3部7課と5つの電波観測所からなる体制でスタートしました。発足時の人員は380名、予算は1億8000万円でした。

主な業務内容

電波研究所は、電波に関する基礎研究から応用研究まで幅広く手掛け、その成果は日本の電波技術発展に大きく貢献しました。具体的な業務としては、以下のようなものが挙げられます。

電波に関する研究: 電離層の観測や電波伝搬の研究など、電波の特性に関する基礎的な研究を推進しました。
標準[[電波]]の発射: 日本の標準時を知らせるための標準[[電波]]（JJY）の発射業務を行いました。
無線機器の型式検定: 無線機器が技術基準に適合しているかを検定する業務を行い、無線通信の品質維持に貢献しました。
電波技術の調査研究: 電波技術に関する調査研究を行い、その成果を社会に還元しました。

沿革

電波研究所の歴史は、日本の電波技術の発展とともに歩んできました。以下に主な沿革を記します。

1896年（明治29年）10月: 逓信省電気試験所において無線電信の研究が開始されました。
1915年（大正4年）1月: 逓信省電気試験所平磯出張所が設立されました。
1935年（昭和10年）5月: 無線機器の型式検定業務が開始されました。
1940年（昭和15年）1月: 標準[[電波]]（JJY）の発射業務が検見川で開始されました。
1948年（昭和23年）6月: 文部省電波物理研究所が統合されました。
1952年（昭和27年）8月: 郵政省電波研究所が発足しました。
1964年（昭和39年）5月: 鹿島支所が開設され、直径30mのパラボラアンテナ施設が完成しました。
1988年（昭和63年）4月: 電波研究所は通信総合研究所に名称変更されました（郵政省通信総合研究所）。

通信総合研究所への改組

1988年（昭和63年）4月1日、電波研究所は通信総合研究所（Communications Research Laboratory：CRL）へと名称変更し、新たなスタートを切りました。この名称変更は、電波研究だけでなく、通信技術全般を研究対象とする機関へと発展したことを示しています。電波研究所が果たした役割は、その後の通信総合研究所、そして現在の情報通信研究機構（NICT）へと受け継がれています。

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