電圧計

電圧計：電位差を測る精密機器

電圧計は、回路内の2点間の電位差（電圧）を測定する計測器です。自動車やオートバイのメーターパネル、電子機器の修理など、幅広い用途で使用されています。デジタル式やアナログ式など様々な種類があり、それぞれに特徴があります。

電圧計の種類と原理

アナログ電圧計

アナログ電圧計は、可動コイル型や可動鉄片型など、様々な内部構造を持ちます。

可動コイル型: 電流の大きさに比例して動くコイルの動きを指針で表示します。直流電圧の測定に適しています。永久磁石、コイル、指針が主な構成部品です。
可動鉄片型: 電磁石の力で動く鉄片の動きを指針で表示します。交流電圧の測定に適しており、構造がシンプルで安価なため広く用いられています。可動鉄片、固定鉄片、指針が主な構成部品です。

デジタル電圧計

デジタル[電圧]]計は、アナログ信号をデジタル信号に変換し、数値で電圧を表示します。高い精度と安定性を持ち、近年では広く普及しています。内部には、入力マルチプレクサ、プログラマブルゲインアンプ、アナログ-デジタル変換回路]、制御通信部などが含まれています。16bit ADCを用いた場合、[マイコン]がこれらの回路を制御し、[[電圧値を取得、処理し、表示部に数値として出力します。表示部はLCDや7セグメントディスプレイなどが使われます。1954年、アンドルー・ケイの発明によるものです。

その他の電圧計

電流力計型電圧計: 電力計と同様の構造ですが、内部配線が異なり、直流から商用周波数程度の電圧を測定できます。
静電電圧計: 金属板間の静電力で電圧を測定します。高電圧の測定に用いられます。
熱電形電圧計: 熱電対を用いて電圧を測定します。
電子電圧計 (バルボル、ミリバル): 真空管を用いた電圧計で、広い周波数帯域と電圧範囲を測定できます。バルボルは真空管電圧計(VTVM)、ミリバルはミリボルト・バルボルの略称です。

電圧計の使用方法と接続方法

電圧計は、測定対象の2点間に並列に接続します。内部抵抗が大きいので、回路に大きな影響を与えません。

直流電圧測定: 電流制限抵抗と可動コイル形計器を組み合わせます。
交流電圧測定: 計器用変圧器や整流器と直流用計器を組み合わせます。
測定範囲の拡大: 直流では倍率器（直列抵抗器）、交流では計器用変圧器を使用します。

自動車・オートバイにおける電圧計

自動車やオートバイでは、バッテリーの電圧を監視するために電圧計が用いられます。アナログ式メーターやデジタル表示、警告灯など、様々な方法でバッテリーの状態を表示します。

参考文献

西野治『電気計測』コロナ社、1958年。ISBN 978-4-339-00161-7。
中林忠志『オーディオ用測定器 : 解説と製作』誠文堂新光社（無線と実験シリーズ）、1964年。
三好正二『基礎テキスト 電気・電子計測』東京電機大学出版局、1995年。ISBN 4-501-10670-0。

もう一度検索