電磁石同期発電機とは？意味をやさしく解説

電磁石 同期発電機

電磁石同期発電機は、界磁に電磁石を利用して発電を行うタイプの発電機です。その特徴として、100万kWを超える大規模な出力を可能にし、自立した運転が無理なく実現できる点が挙げられます。また、界磁電流を変えることで力率を柔軟に調整可能ですが、その一方で界磁励磁に必要な電源と付随装置の設置が必須であり、導入コストが高くなる傾向があります。

大容量の利点と運転特性

特に100万キロワット級の汽力タービンを使用する際には、一般的にクロスコンパウンド型式が採用されます。これは、高圧と低圧のタービンが個別に駆動される形式で、通常低圧タービンには4極のセコンダリ発電機が接続されており、1500rpmまたは1800rpmの回転速度で運転されます。

電機子の結線方式

電磁石同期発電機では、中性点に保護装置を取り付けるため、一般にはスター結線が使用されます。この方式は、第三調波やその倍数にあたる高調波電流によって発生する循環電流を排除しつつ、対地電圧を低減させるための効果があります。これにより、絶縁性能も向上します。

励磁方式の多様性

静止形励磁装置

静止形励磁は、サイリスタなどを組み込んだ可変電圧の静止直流電源によって、スリップリングを通して界磁を励磁します。この方式は、回転形励磁機に比べて高い信頼性とメンテナンスの容易さが特徴です。さらに、発電機の軸長を短く保つことができるため、スペースの効率化にも寄与します。

ブラシレス励磁装置

この方式では、主発電機と同一軸上に設置した励磁機によって三相交流が生成され、整流器を介して主発電機を励磁します。励磁電流は励磁機の固定界磁で調整され、電気的接点を使用しないため、スリップリングやブラシのメンテナンスが不要です。ただし、整流器に問題が発生した場合は、発電機を停止させる必要がありますが、近年の電力用半導体は高い安定性を誇っています。

超伝導励磁装置

超伝導励磁装置は、界磁の巻線に超伝導材料を用い、極低温で冷却することで効率を高めます。発熱が少なく、損失を最小限に抑えることが可能ですが、冷却を維持するための複雑な断熱構造が要求される点には留意が必要です。

並行運転の条件

複数の同期発電機を同一母線に接続して運転する際には、幾つかの条件を満たす必要があります。まず、それぞれの発電機が同じ大きさの誘導起電力を発生させることが求められ、そのためには界磁電流の調整が重要です。また、周波数と相順、位相も一致させる必要があり、これには同期検定装置を利用して原動機の回転速度を調整します。最後に、各発電機の容量に応じた負荷分担が必要であり、これを実現するには原動機の速度特性を相互に揃える必要があります。

電磁石同期発電機