電脳大奥

『電脳大奥』

概要

『電脳大奥』（でんのうおおおく）は、1997年11月21日に新東宝映画から発売されたオリジナルビデオ作品です。仮想空間を舞台にしたコンピュータゲームと現実世界が奇妙にリンクする恐怖を描いたサイバーホラーとして知られています。

企画と製作の背景

本作の監督を務めた友松直之は、当初、別の企画を新東宝映画に持ち込みました。しかし、その企画は採用されず、代わりに『電脳』をテーマにした作品の制作を依頼されたことが、本作誕生のきっかけとなりました。この『電脳大奥』の制作を通じて、友松監督は新東宝映画との繋がりを深め、以降、同社作品に深く関わっていくことになります。

後には、本編から約10分間のシーンをカットした『ECSTASY GAME エクスタシー・ゲーム 電脳大奥ディレクターズカット』と題されたディレクターズカット版もリリースされています。

物語（あらすじ）

物語の主人公は、気弱な性格を持つ会社員の良一。彼は職場の同僚である朋美と圭介との間で生じた三角関係に苦悩していました。そんな彼の日常は、ある日突然、予期せぬ悲劇に見舞われます。同僚である圭介が、原因不明の謎めいた死を遂げたのです。

この出来事を機に、良一は圭介が人知れず深く傾倒していたという、非公式に流通するコンピュータゲーム『電脳大奥』の存在を知ります。好奇心と、 perhaps、圭介の死への手がかりを求める思いから、良一はそのゲームを起動します。

ゲームが立ち上がると、良一の目の前には驚くほど精緻でリアルな仮想空間が展開されます。その圧倒的な没入感に魅せられた良一は、瞬く間に『電脳大奥』の世界の虜となっていきました。しかし、ゲームを進めるにつれて、彼は次第に現実とは異なる、不気味な異変に遭遇するようになります。

最も恐ろしいのは、ゲーム内で良一が敵キャラクターとして斬り倒した存在が、現実世界で実際に命を落とすという不可解な現象でした。仮想空間での行為が、現実に恐ろしい影響を及ぼすようになったのです。そして、ゲームの進行とともに、『電脳大奥』の仮想空間は良一を取り巻く現実世界をも徐々に、しかし確実に侵食し始めます。現実と非現実の境界線が曖昧になり、ゲームの世界が現実を歪め、取り込んでいく中で、良一は想像を絶する恐怖と直面することになります。

スタッフ・キャスト

本作の監督は友松直之が務めました。脚本は大河原ちさとが担当。制作は幻想配給者が手掛け、新東宝映画株式会社と結城哲也が製作として名を連ねています。特殊メイクは仲谷進、音楽はアマリリス、そして主題歌はアリス・セイラーが担当しました。撮影は立花宣が担当し、倉田プロモーションが協力しています。

主要なキャストとしては、朋美役を白石ひとみ、良一役を隆西凌が演じました。他にも、沓水文人、西野美緒、宮まさ子、村上ゆう、大矢剛功、菅原研治、清水ひとみ、結城哲也、アリス・セイラーといった面々が出演しています。

関連情報

* 電脳大奥 - allcinema (外部サイト)

（記述内容は公開当時の情報に基づいています。）

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