電話局

電話局とは

電話局は、かつて日本の電気通信事業を担っていた地方機関です。その歴史は、逓信省、運輸通信省、電気通信省、日本電信[[電話]]公社（電電公社）を経て、日本電信[[電話]]株式会社（NTT）へと繋がります。

黎明期から民営化まで

当初、日本国内の多くの地域では郵便局が電話業務を兼務していましたが、大都市圏では独立した電話局が設置されていました。1949年に電気通信省が設立されると、電話局は電報電話局へと改組され、電話と電報のサービスを一体的に提供するようになりました。

その後、電電公社を経て民営化されたNTTは、1989年に「電話局」の名称を「支店・営業所」に変更しました。これは、電話局という名称が旧態依然とした官庁的なイメージを持っていたため、民営化後のNTTのイメージと合致しなかったこと、そして、より合理的な販売拠点網を構築する必要があったためです。

現在の電話局

現在、「電話局」という言葉は、電報電話局の流れを汲むNTT東日本・西日本の旧支店・営業所の建物を指すことが多く、電話交換機が設置されていた場所として認識されています。NTTは名称を変更しましたが、一般利用者には「電話局」という名称が依然として広く浸透しており、コマーシャルなどでは「局番なしの116」（管轄支店の受付専用番号）として案内されることがよくあります。

電話局には、電話加入者数に応じて1級局から3級局までの区分があり、NTTでは級局ごとに基本使用料金を設定していました。しかし、民営化以降、電話料金の支払いは銀行口座引き落としやコンビニエンスストアでの支払いが主流となり、NTTの支店・営業所の有人窓口は徐々に閉鎖され、現在は全てなくなっています。

電話局の建物

電話局として使われていた建物は、鉄塔があるため、現在も多くがNTTによって保有されています。しかし、ほとんどの建物は常時無人化されています。近年、NTT東日本はこれらの空きスペースを活用し、ベンチャー企業と協業で昆虫食事業を開始しました。かつての有人窓口が、昆虫の飼育スペースとして生まれ変わろうとしています。

通信ビルとしての役割

NTTやKDDIなどの通信会社では、通信設備を設置するビルを「通信ビル」または「通信局舎」と呼んでいますが、一般的には「電話局」と呼ばれることもあります。通信ビルには、電話交換機の他に、蓄電池設備、自家発電設備、無線設備などが設置されています。また、電話線などのケーブルは、通信ビルの地下にある洞道と呼ばれるケーブルトンネルから、地下管路、マンホール、電柱を経由して加入者の自宅に配線されています。

電話局は、その名称を変え、役割を終えましたが、電気通信インフラを支える重要な拠点として、その建物は今もなお存在しています。そして、新たな活用方法も見出されようとしています。

参考資料

* 電話サービス取扱所(級局)の種類について - NTT東日本
https://www.ntt-east.co.jp/about/tariff/kakyoku.html

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