電送人間

映画『電送人間』の詳細

『電送人間』（でんそうにんげん）は、1960年に東宝が製作した特撮ホラー[[映画]]で、カラーと東宝スコープによるパースペクタ立体音響が特徴的です。この作品は、同年に併映された宝塚映画の『爆笑嬢はん日記』とともに公開されました。

概要

本作は、「美女と液体人間」に続く変身人間シリーズの第2作で、検討段階では「怪奇空想科学映画シリーズ」として位置付けられました。同時期に開発された第3作『ガス人間第一号』も、やはりシリーズの一部として多くの期待を集めました。原作は存在しないものの、海野十三による小説『電送美人』がこの映画の基となったと考えられています。前作が怪奇的な要素が強かったのに対し、今回はSF的な設定を背景にしたミステリー作品となっています。

あらすじ

物語は多摩川園のお化け屋敷での殺人事件から始まります。ブローカーの塚本が不気味な影に襲われ、命を落とします。事件の真相を追うのは東都新聞学芸部の記者、桐岡勝です。彼は犯罪の背後に密輸が関わっていることを知り、大学時代の同級生である小林警部とともに捜査に乗り出します。二人は塚本の関係者であるキャバレー経営者の隆昌元を張り込みますが、彼もまた怪人に刺殺され、その痕跡は火災によって滅失してしまいます。

桐岡は隆の murder sceneでの手がかりを手に入れ、過去の横領事件に絡む人物たちを追跡します。14年前の軍資金の横領事件で、須藤兵長が生き埋めにされたことが明らかになります。須藤は当時の上官たちに復讐を誓い、物体電送機を駆使して再び人界に現れます。

物体電送機を利用した事件は次々に発生し、遂には桐岡がその正体を掴むが、決定的な証拠が不足しているため、事件は予測不可能な方向へ進展します。そして、浅間山の噴火による電波の乱れが、須藤の運命を大きく変えてしまうのです。

主要キャラクター

• - 電送人間：実は須藤兵長であり、復讐のために物体電送機を使用して殺人を繰り返す。
• - 桐岡勝：事件を追う東都新聞の記者。
• - 小林警部：桐岡の友人で、彼を支える警察官。
• - 仁木博士：然るべき科学者で、物体電送機について語る。

制作背景

本作を監督した福田純は、特撮作品の監督が初めてで、特に効果的な撮影手法が求められました。音楽は池野成が担当し、各シーンに合わせて異なる雰囲気の楽曲が作られました。特撮の技術面では、円谷英二が視覚効果にこだわったことが特筆されます。物体電送機のデザインやその描写にも多くの工夫がされました。

ビジュアルと技術

本作では、物体が転送される様子を観客に視覚的に理解させるために、特に視覚効果に注力しました。青白い光を放つ横縞模様などが用いられ、電送人間の移動シーンをリアルに感じさせる技術が駆使されました。また、ミニチュアを使った列車爆破シーンなども見られる。

視覚効果や音楽によって後に続く作品に多大な影響を与えた本作は、特撮映画としての地位を確立しました。さらに、映像媒体においても、VHSやDVD、Blu-rayがリリースされ、近年ではその魅力が再評価されています。

結論

『電送人間』は、特撮映画としての技術革新と共に、観客に向けて恐怖と興奮を与える作品です。変身人間シリーズの中でも思索的かつエンターテインメント性に富んだこの映画は、今なお多くのファンに愛されています。

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