霊山竹生嶋流

霊山竹生島流棒術の概要

霊山竹生島流棒術（りょうぜんちくぶしまる）は、福島県伊達市にある霊山で伝承されている棒術の一流派です。この流派は竹生島流の一系統に位置しますが、長崎で受け継がれている庄内藩伝とは異なる特徴を持っています。

起源

この棒術の起源ははっきりしていませんが、ある伝説によると、槍の名手である榊山左京太夫が竹生島で小太刀の名人と戦った際に、追い詰められて逆転勝利を収めたことが始まりとされています。彼が槍の使い方を逆転させて生み出した技が竹生島流棒術と名付けられたのです。さらに、南北朝時代には、北畠顕家によって霊山城が築城された際、比叡山の僧兵たちがこの地に武道をもたらしたという伝承も存在しますが、歴史的確証はありません。おそらく、霊山には他の武士や隠れ里の逸話から様々な伝説が混在しているため、これらはやや曖昧な部分があります。

近現代の伝承

19世紀初頭、文化年間に榊山左京太夫の竹生島流棒術を受け継いだ清原森光が霊山に住み、地元の人々に教えを施しました。この際、当地の代表的な武道家である斎藤佐右衛門に奥義を伝授し、斎藤家は代々この技を受け継いできました。明治維新の時期には、斎藤広吉と高橋熊次郎がこの棒術を学び、さらにその後の世代に伝えました。特に、菅野富家はこれを集約し、霊山竹生島流棒術としてまとめ上げました。彼は現顕武館道場の師範であり、第九世宗家として優れた指導者として知られています。

現在の状況

現在、霊山竹生島流棒術は日本古武道振興会のイベントなどにも参加しており、その存在を広めています。しかし、発祥の地である霊山自体には現在、専任の伝承者がいないのが現状です。菅野富家が運営する顕武館道場は1990年に開かれ、隣接する福島市で活動を続けています。一方で、霊山ライオンズクラブは地域の交流を促進するため、2006年に霊山竹生島流棒術健康会を設立しました。この健康会は、霊山町の地域交流センターで無料の教室を開催しており、地域の人々がこの伝統技術に触れる機会を持っています。

また、2010年には鏡開きの際に免許皆伝者が誕生しましたが、これは一般的に知られる免許皆伝の定義と異なり、流儀を教える許可を得た人を指すようです。その年の霊山神社に奉納された額には、中伝までの名前が列記されています。

関連項目

霊山竹生島流棒術は他の武道とも関わりがあります。特に、半棒術、杖術、棒の手などが関連した武道として知られています。これらの技術との相互作用によって、霊山竹生島流棒術の魅力と奥深さが増しています。

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