半棒術

半棒術とは

半棒術は、日本の伝統武術の一つで、約90cm（3尺）の半棒と呼ばれる棒を用いる武術です。明治時代以降は、ステッキ術や短杖術といった名称が使われることもあります。

概要

半棒術で使われる半棒は、一般的には六尺棒（約180cm）の半分の長さであることからその名がついています。しかし、棒術、杖術、乳切木術、半棒術といった区別は、流派によって定義が異なり、必ずしも長さだけで区別できるわけではありません。例えば、四尺棒（約120cm）や五尺棒（約150cm）を半棒と呼ぶ場合もあれば、分銅鎖がついた棒を「半棒」と称する流派もあります。

江戸時代の捕物では、六尺棒と並んで半棒も捕具として使われていました。また、町人が自衛や闘争のために半棒を所持していたという記録も残っています。このように、半棒は武術だけでなく、日常生活にも深く関わっていました。

専門流派

半棒術を専門とする流派は、以下の通りです。

内田流短杖術: 明治時代に神道夢想流杖術をもとにステッキ術として創案されました。神道夢想流に併伝されています。
九鬼神流半棒術: 九鬼神流棒術に附属しており、九鬼神流棒術とともに高木流柔術に併伝されています。
竹生島流半棒術: 竹生島流に伝わる半棒術です。
無辺要眼流半棒術: 諸賞流宗家が継承していた時期がありましたが、現在は別々に伝承されています。
今枝新流短杖: 今枝新流杖術に附属する短杖術です。

これらの他にも、薙刀術の流派に半棒術が伝わっている場合があります。

楊心流半棒術: 薙刀術の流派である楊心流に伝わる半棒術です。

関連文献

半棒術に関する文献としては、時代劇研究で知られる名和弓雄氏の著作が参考になります。

名和弓雄『間違いだらけの時代劇』（河出文庫、1989年）
名和弓雄『続　間違いだらけの時代劇』（河出文庫、1994年）

これらの書籍では、時代劇における武術の描写について、史実との比較を交えながら解説しており、半棒術に関する理解を深めることができます。

関連項目

半棒術に関連する武術や道具は以下の通りです。

棒術: 長い棒を用いる武術の総称です。
杖術: 杖を用いる武術です。
逮捕術: 犯人を逮捕するための技術です。
警棒: 警察官などが使用する短い棒です。
* 捕具: 捕物に使われる道具の総称です。

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