霙

霙（みぞれ）とは

霙（みぞれ）は、雨と雪が同時に降る気象現象で、特に冬季に見られることが多いです。霙は、冷たい空気の中を降る雪片が上昇しながら、気温が高い層に達した時に部分的に溶け、一部は雨として地上に降下します。この現象は、気温と湿度の相互作用によって生じます。

霙の仕組み

霙の形成には、まず雪片の落下とその過程における温度環境が重要です。雪片が上空から降る際、中心の温度が0℃以上の層に達すると、外側から徐々に溶け始めます。しかし、湿度が100％未満の状況では、雪片が昇華による冷却作用により、すぐには解けない層（非融解層）が発生します。その下にはすでに解け始めた雪が集まる融解層があります。この融解層の厚さは、気温や湿度、雪片の大きさによって変化します。

例えば、直径13mmの雪片が地上で観測される雨滴に成長するまで、湿度が100-80%の場合で約600mの厚さが求められることがあります。湿度や雪片のサイズが変わることで、融解層の厚さも異なります。湿度が60%以下に減少するような条件では、雪片はすぐに小さくなって溶けてしまうため、融解層は薄くなる傾向があります。気象学的な観測では、霙の層は雪や雨よりも強く電波を反射し、これによって霙が降っているときに降水量の予測が誤ることがあるため注意が必要です。

霙の観測と記録

霙が観測されると、その降水は雪と同様に記録されます。特に、冬季に「初雪」が観測される際に霙が先に降ることもあります。この場合、その霙も初雪としてカウントされます。沖縄県は日本で唯一、積[[雪]]が観測されたことがない地域ですが、過去に霙が観測されたことはあります。例えば、1977年と2016年には霙が降った記録があります。

また、天気予報や気象観測の際、霙を正確に予測することは難しいとされています。気象庁の基準では、霙を含む可能性のある天候は、周囲の気温や湿度によって「雨」や「雪」として区分されることが一般的です。特に、雨の確率が高い場合は「雨」として予報されます。

霙の語源

「みぞれ」という名称の由来も興味深いです。これは、水霰（みずあられ）や水降（みずふる）などの古語に由来する説や、雨霰（あられ）という言葉からの変化とされることがあります。また、霙を形取った派生語も存在し、さらにはかき氷の一種や大根おろしに対する言及にも使われることがあります。

霙の形成は、気象に対する理解を深める上で重要なテーマです。この現象についての知識は、予報技術の向上や日常の天候を把握する際に役立ちます。

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