霜月騒動

霜月騒動について

霜月騒動（しもつきそうどう）は、鎌倉時代後期の弘安8年11月17日（1285年12月14日）に鎌倉で発生した政変であり、その結果として鎌倉幕府が大きく揺らぎました。この騒動の背景には、初代執権である北条時宗の死後、9代執権である北条貞時の下で、実行された安達泰盛による弘安徳政と呼ばれる改革の失敗が存在しました。反対派の平頼綱を中心にした勢力との対立が激化し、泰盛はついに討たれることとなります。

背景

霜月騒動の根本には、鎌倉幕府の体制の変化とそれに伴う不満がありました。元寇による国難を経て、幕府は国元の土地の管理などに困難を抱えていました。特に、本所一円地住人と呼ばれる公家や寺社に対して、幕府はその支配権を強化しようとしていましたが、これが武士階級の間に混乱を招く結果となりました。

弘安7年（1284年）に北条時宗が突然亡くなり、安達泰盛は執権貞時の外祖父として、変革を進めました。しかしこの改革は、利権の再配分や新たな法の施行を試みる中で、旧来の権力者たちの反発を招き、次第に行き詰まっていきます。特に、彼が意図した有力な武士層の取り込みが、逆に反発を招いたことが見逃せません。

騒動の経緯

霜月騒動は、11月17日のある朝から始まりました。平頼綱の手勢が安達泰盛を討つべく動き出したことにより、戦闘が発生します。双方の間で激しい交戦が繰り広げられ、これにより数十名が命を落とす結果となりました。泰盛は激しい抵抗を試みましたが、最終的には討たれ、彼の一族もほぼ根絶される事態となります。

この騒動の結果、反対派の平頼綱により実権が握られ、彼は泰盛の改革方針を否定し、自らの支配体制を確立させます。霜月騒動の発生は、全国的な規模に波及し、地方での反乱や抗争が続くことになります。特に武蔵や上野など、泰盛の支持者たちが次々に討伐され、幕府を二分する事態へと発展します。

鎌倉幕府への影響

霜月騒動後の鎌倉幕府は、得宗家に対する見方が一変します。平頼綱は、新たに大仏流や名越流といった新しい権力勢力を形成し、幕府の人事を完全に掌握しました。この結果、彼の権力が高まり、旧来の御家人は次第に影を潜めることになります。さらに、維持されていた制度は次第に収束し、政治の流れは大きく変わっていくこととなります。

また、将軍問題も浮上し、頼綱は泰盛の子である宗景が源氏の血を引いていると讒言し、権力を狙う動きを抱くなど、さらなる混乱が続きました。このように、霜月騒動は鎌倉幕府にとって重要な転機であり、内部の権力構図を大きく変えるきっかけとなったのです。

終わりに

霜月騒動は、北条氏と有力御家人の長期にわたる抗争の集大成であり、鎌倉幕府の存続に対する大きな影響を与えました。幕府の権力構造が変わり、得宗家の中央集権化が進む中で、従来の御家人勢力がいかに変遷していったのかを理解することは、政局の理解を深める上で重要なテーマと言えます。

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