露の都

露の都（つゆの みやこ）氏は、1956年1月21日に大阪府堺市で誕生した落語家です。本名を小山 眞理子さんといい、現在はご自身の個人事務所である露の都事務所に所属しています。出囃子には「都囃子」を用いています。

彼女の落語の大きな特徴は、自身の身の回りで起こった出来事や、女性ならではの視点を生かした枕や噺です。これらは「みやこ噺」と呼ばれ、多くの聴衆から共感と笑いを得ています。

幼少期から上方落語に親しみ、特に笑福亭仁鶴師匠の大ファンでした。毎日放送の番組『素人名人会』に出演し、高い評価を受けた経験もあります。その際の審査員が、後に師匠となる二代目露乃五郎（後の二代目露の五郎兵衛）であったことは、彼女の人生にとって重要な出会いでした。

住吉学園高等学校を卒業後、露乃五郎への入門を何度も願い出ますが、一度は断られます。しかし、熱意が実り、1974年3月に念願の入門を果たしました。翌1975年には京都花月で初舞台を踏み、プロの落語家としての道を歩み始めました。現在、東西の落語界において、現役で活動する女性落語家の中では最も芸歴が長い存在として知られています。

落語の才能に加え、特技として「南京玉すだれ」や、祝いの場で披露される「ご祝儀舞」も持っており、高座をさらに華やかに彩ることがあります。

露の都氏は、女性落語家の地位向上と交流促進にも尽力してきました。1991年には、史上初となる「東西女流落語会」を主宰し、以降、この会は東京と大阪で毎年開催される恒例行事となっています。また、2001年8月からは大阪府東大阪市にて「露の都の古典落語百選」という企画をスタートさせ、毎月1回から3回のペースで古典落語の口演を続けました。2005年10月13日に開催された第119回で、目標としていた100席目の古典落語（演目「ねずみ穴」）をワッハ上方・ワッハホールで達成し、このシリーズを終了しました。この落語会が縁となり、現在も東大阪市立消費生活センターのホームページイメージキャラクターを務めるなど、地域との繋がりも深いです。

上方落語界におけるリーダーシップも発揮しており、2004年12月には上方落語協会内に設置された女子部（上方笑女隊）の初代部長に就任しました。その活動や芸が認められ、2010年には第65回芸術祭賞優秀賞を受賞しています。

落語家としての顔とは別に、私生活では波瀾万丈な人生を経験しています。結婚して2人のお子さんをもうけましたが、後に離婚。その後、4人のお子さんを持つ男性と再婚し、現在は合わせて6人のお子さんを育てる母親でもあります。こうした人生経験、そして現役最年長の女性落語家という立場から、男女共同参画社会の実現に向けた提言など、社会的なテーマについても積極的に講演活動を行っており、その語りは多くの聴衆に勇気と示唆を与えています。

彼女には多くの弟子がおり、露の眞、露の紫、露の瑞（桂雀々門下より移籍）、露の棗、露の陽、露の陽照、露の庚（甘楽より改名）といった面々がいます。残念ながら、露の雅師は2017年1月に亡くなりました。また、露の楓、露の湊都といった弟子は廃業しています。

テレビ番組への出演もあり、NHK Eテレの『Let's天才てれびくん』では「よしばっば」役で登場しました。

関連する項目として、師匠である二代目露の五郎兵衛師や、露の五郎兵衛一門、そして番組名の新撰落語もぎた亭などがあります。露の都氏の活動については、公式サイトである「女性落語家「露の都」」で詳しく知ることができます。

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