青い戦慄

青い戦慄 (The Blue Dahlia)

1946年製作のアメリカ映画。フィルム・ノワールの傑作として知られています。レイモンド・チャンドラーがオリジナル脚本を書き下ろし、ジョージ・マーシャルが監督を務めました。

あらすじ

第二次世界大戦終結後、海軍の飛行士だったジョニー・モリソン、バズ・ワンチェック、ジョージ・コープランドの3人は、南太平洋の戦地からカリフォルニアへと帰還します。戦争で心に傷を負ったバズは、頭部に金属板を埋め込む手術を受けていました。

ジョニーは帰りを待ちわびる妻ヘレンに会うため、彼女が滞在するホテルのバンガローへ向かいます。しかし、そこで目にしたのは、騒がしいパーティーを開き、ナイトクラブのオーナーであるエディ・ハーウッドと親密な関係にあるヘレンの姿でした。ジョニーは怒りのあまりエディを殴ってしまいます。

パーティー後、酔ったヘレンは、以前ジョニーにはジフテリアで亡くなったと伝えていた息子ディッキーの死因が、実は自身の飲酒運転による事故であったことを告白します。口論の末、ジョニーはヘレンに銃を向けますが、殺すことを諦め、その場を去ります。

一方、バズはジョニーを捜してホテルのバンガローへ。そこでヘレンと出会い、彼女が誰であるかを知らぬまま、彼女のバンガローで待つことに。

ヘレンはエディに電話をかけますが、拒絶されます。その後、彼女はエディを脅迫し、再び会うよう迫ります。エディがヘレンのバンガローを訪れたことが、ホテルの探偵によって目撃されます。

雨の中を歩いていたジョニーは、マリブへ向かうジョイス・ハーウッドの車に拾われます。ジョイスはエディと不仲になっていました。互いに素性を明かさないまま、二人は惹かれ合います。翌朝、ジョニーはヘレン殺害の容疑者として警察に追われていることを知ります。

警察は、ニューウェル、ハーウッド、バズ、ジョージから事情聴取を開始。

ジョニーは偽名を使ってホテルに潜伏しますが、ホテルの支配人に正体を知られ、脅迫されます。揉み合いの末、ジョニーはヘレンが保険金のために書いたメモを発見し、エディが指名手配中の殺人犯であることを突き止めます。

支配人はジョニーの情報をギャングに売り、ジョニーは誘拐されます。一方、バズはナイトクラブで音楽を聞いた際、ヘレンのバンガローで聞いた音楽を思い出し、事件の真相に近づきます。

ジョニーはギャングから逃れ、エディと対峙。エディは過去の罪を告白します。レオが現れジョニーを撃とうとしますが、ジョニーは逆にエディを撃ってしまいます。その後、ジョニーはブルー・ダリアへ逃亡。

警察はバズにヘレン殺害を認めさせようとしますが、ジョニーはバズの嫌いな音楽を流し、彼の記憶を呼び覚まします。ニューウェルが容疑をジョージに向けようとした際、ヘンドリクソン警部はニューウェルがヘレンを脅迫し、殺害したのではないかと問い詰めます。ニューウェルは逃亡しようとしますが、射殺されます。

事件解決後、バズとジョージはジョニーとジョイスを残して飲みに出かけます。

キャスト

ジョニー・モリソン: アラン・ラッド
ジョイス・ハーウッド: ヴェロニカ・レイク
エディ・ハーウッド: ダグラス・ウォルトン
ヘレン・モリソン: ドリス・ダウリング
バズ・ワンチェック: ウィリアム・ベンディックス
ジョージ・コープランド: ヒュー・ボーモント
ニューウェル: ハワード・ダ・シルヴァ

受賞歴

アカデミー脚本賞ノミネート: レイモンド・チャンドラー

関連事項

* ブラック・ダリア事件: 本作の原題「The Blue Dahlia」にちなんで名付けられたと言われています。

『青い戦慄』は、フィルム・ノワールの魅力が詰まった作品です。ぜひご覧ください。

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