青ナイル川

青ナイル川について

青ナイル川（Blue Nile）はエチオピアのタナ湖を起点とし、ナイル川の重要な支流の一つです。この川は、白ナイル川と合流することでナイル川を形成し、その後エジプトのアレキサンドリアで地中海に注ぎます。青ナイル川の水源はアムハラ州の標高2,744メートルの地点にあるギシュ・アバイの泉とされています。そこから流れ出る小アバイ川が北へ流れ、タナ湖に合流します。

青ナイルの流路は、最終的にスーダンの首都ハルツームで白ナイルと交わるため、この合流点からナイル川と呼ばれるようになります。青ナイルの名称は、長い間の多くの期間においてその水が白ナイル川の大半が濁っているのに対し、透明感を持つことに由来しています。

青ナイル川の長さについては、1,460キロ[[メートル]]から1,600キロ[[メートル]]の間で諸説あり、その計測の不確実さは、エチオピア高原が大峡谷のように深く削られていることが影響しています。この川の流域の約800キロ[[メートル]]はエチオピア国内を流れており、主に南へ、次に西へと向かい、最終的には北西の方向へと進んでいきます。特に、タナ湖から30キロ[[メートル]]の地点では、約400キロ[[メートル]]の長大な峡谷に入ります。この峡谷部分は、エチオピア国内の交通や通信において大きな障害となっています。

青ナイル川には水の流量に強い季節変動があります。特に、6月から9月の雨季には流量が最も多く、合流後のナイル川の水の約3分の2を供給します。1970年にアスワン・ハイ・ダムが完成するまで、青ナイル川は降水量によりナイル川にもたらす洪水の原因となり、古代エジプト文明の発展に寄与していました。

エジプトにおいて、青ナイル川は生活に不可欠な存在で、流れる水の約56%は青ナイル川からのもので、アトバラ川と合流した際にはその割合は90%にも達します。また、堆積物の供給も重要で、エジプト国内の農業生産に大きな影響を与えています。

スーダンにおいても、青ナイル川は重要な資源となっており、国内での電力供給の約80%はロセイレスダムとセンナールダムから得られています。これらにより、灌漑が行われ、特にゲジラ平原での綿花や小麦、飼料作物の生産が促進されています。

また、青ナイル川の探検史も興味深いものです。1770年代には、スコットランドの探検家ジェームズ・ブルースがタナ湖からナイルデルタまでの全行程を達成したのが最初とされています。さらに、2004年には地質学者のパスカーレ・スカトゥーロとカヤック選手のゴードン・ブラウンが、ブルース以来の青ナイル探検を行いました。この際、彼らはその様子を撮影し、ドキュメンタリーとして記録しています。

青ナイル川は、エチオピア、高地の文化、エジプトの生存にとって欠かせない存在として、今なおその重要性を保っています。

もう一度検索