ハルツーム

ハルツーム：スーダンの首都

ハルツーム（Khartoum）は、スーダンの首都であり、アラビア語で「象の鼻」を意味します。人口は約263万人（2013年時点）を擁し、周辺の北ハルツームやオムドゥルマンと都市圏を形成し、その居住人口は400万人を超えます。急速な人口増加が続いており、21世紀後半には世界有数の巨大都市になると予測されています。

歴史

ハルツームは、1820年にエジプトのムハンマド・アリー朝によって支配の拠点として築かれました。ナイル川の航路の要所として、また奴隷貿易の中継地として発展しました。

19世紀末には、マフディー戦争の舞台となり、イギリスのゴードン将軍が守備するハルツームがマフディー軍に包囲され、陥落しました。その後、イギリス軍がオムドゥルマンでマフディー軍を破り、ハルツームは再び支配下に置かれました。

20世紀末には、アメリカ大使館爆破事件に関与したとして、ハルツームにある製薬工場がアメリカ軍のミサイル攻撃を受けました。

21世紀に入ってからも、スーダン国内の政情不安の影響を受け、2019年のクーデターや民主化を求めるデモなど、多くの混乱に見舞われています。

地理

ハルツームは、ウガンダから流れる白ナイルとエチオピアから流れる青ナイルの合流地点に位置しています。この合流地点からナイル川は北へ流れ、エジプトを経て地中海へと注ぎます。

気候

ハルツームは、乾燥した気候であり、11月から5月が乾期、7月・8月が雨期です。年間降水量のほとんどがこの2ヶ月に集中します。4月から6月にかけては最高気温が40℃を超え、53℃に達することもあります。年間を通して気温が高く、世界有数の暑い都市として知られています。

経済

ハルツームは、スーダンにおいて政治・経済の中心地であり、あらゆる施設が集中しています。1990年代以降、油田開発が活発になり、石油関連産業が発展しました。また、精油所が建設され、ポートスーダンとの間を結ぶパイプラインが整備されました。近年では、ホテル建設や通信サービスの発展も進んでいます。

交通

ハルツームには、ハルツーム国際空港があり、国内外の主要都市と結ばれています。鉄道は老朽化していましたが、中国からの支援により近代的な車両が導入され、ポートスーダンとの間を結んでいます。

教育

ハルツームには、ハルツーム大学やスーダン科学工科大学など、多くの高等教育機関があります。

スポーツ

ハルツームには、Al Khartoum SCやAl Ahli SCなど、複数のサッカークラブがあります。

姉妹都市

ハルツームは、アンマン、カイロ、イスタンブール、アンカラ、サンクトペテルブルク、武漢市など、世界各国の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ハルツームは、その長い歴史の中で様々な変遷を経てきましたが、スーダンの首都として、これからも重要な役割を果たしていくことでしょう。

もう一度検索