青山潤三

青山潤三（あおやま じゅんぞう）は、1948年生まれの日本の写真家です。昆虫や植物を中心に、自然をテーマにした作品を数多く発表しています。

兵庫県神戸市で生まれた青山は、甲南学園中等部に在籍中、登校拒否を経験し中退しました。その後、1967年に美術の道を志して上京し、漫画家のアシスタントなどを務めました。この頃から、写真家としての活動を始めたと考えられます。

青山は、中国の四川省や雲南省といった奥地、また琉球諸島を主なフィールドとして、長年にわたり植物や昆虫の撮影、調査を行っています。これらの地域は、生物多様性が非常に高く、貴重な動植物が生息していることで知られています。青山は、これらの地域の自然を深く観察し、その魅力を写真を通して伝えています。

1993年には、原聖樹との共著『チョウが消えた！？』で日本科学読物賞を受賞しました。この受賞は、青山の写真家としての才能だけでなく、自然科学への貢献も評価されたことを示しています。この書籍は、昆虫の生態系や環境問題について、読者に深く考えさせる内容となっています。

青山の著作は、写真集だけでなく、図鑑や解説書など多岐にわたります。主な著書として、『科学のアルバム 92 ギフチョウ』（あかね書房、1987年）、『里の蝶基本50』（森林書房、1988年）、『日本の高山植物』（成美堂出版、1994年）、『屋久島 世界遺産の自然』（平凡社、1997年）、『中国のチョウ 海の向こうの兄弟たち』（東海大学出版会、1998年）、『小笠原緑の島の進化論』（白水社、1998年）、『世界自然遺産屋久島花暦花の旅』（八重岳書房、1999年）、『世界遺産の森屋久島 大和と琉球と大陸のはざまで』（平凡社新書、2001年）、『山の花1200 決定版 山麓から高山まで』（平凡社、2003年）、『屋久島 樹と水と岩の島を歩く カラー版』（岩波ジュニア新書、2008年）などがあります。また、共著として、『日本のチョウ』（小学館、1981年）、『チョウが消えた!? 昆虫の研究』（あかね書房、1993年）、『日本の蝶』（成美堂出版、1994年）などがあります。

これらの著作から、青山が、日本の自然、特に昆虫や植物に対して深い愛情と知識を持っていることがわかります。また、その作品は、美しい写真とともに、自然の不思議さや大切さを私たちに伝えてくれます。

青山の写真家としての活動は、単に美しい風景を記録するだけでなく、自然科学的な調査に基づいたものでもあります。その写真は、自然の複雑さや繊細さを捉え、私たちに新たな視点を与えてくれます。また、青山の活動は、自然保護の重要性を社会に訴えかけるものでもあります。青山は、写真を通じて、自然と人間との関係について、私たちに問いかけていると言えるでしょう。

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