青山里方式

青山里方式（チョンサンリほうしき）

青山里方式は、1960年代から1970年代にかけて朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）で発表された農業政策で、金日成が推進したものである。この政策は、毛沢東の大躍進政策の影響を受け、1960年2月に平安南道江西郡の青山里協同農場における現地指導時に具体化された。青山里方式は、基本的に以下のような要素を含んでいる。

主な特徴

1. 上部と下部の協力関係: 組織の上位が日常的に下位を支援し、朝鮮労働党の政策を徹底することが求められた。

2. 現地調査と分析: 地方と人民大衆との関係を深め、現状を詳細に調査分析することで、問題解決に向けた効果的な方策を導き出すことが強調された。

3. 政治活動の優先: あらゆる事業で政治活動が先行し、人民大衆の意識と創造性を最大限に引き出し、革命的な課題を遂行することが重要視された。

4. 指導の結合: 一般的な指導と個別的な指導を適切に融合させることで、効果的な運営を目指した。

5. 集中と突破: 重要なポイントに力を集中させ、全体の連鎖を解消することで、効率的な経営を行うことが求められた。

6. 計画性の強化: すべての事業が計画的に進められ、その推進力を高めることが指示された。

7. 模範の創造と普及: 新しい模範を作り、それを全国に広めることで、政策を浸透させようとした。

このようにして、青山里方式は金日成の影響力を農村部に強化しようとし、農業政策の改革を目指したものである。特に青山里は模範的な農村として位置付けられ、成功例として広められた。その結果、『主体農法』や『千里馬運動』、さらには『大安の事業体系』とともに青山里方式は全国的に宣伝され、他の地域にも波及した。

影響と結果

しかし、青山里方式は短期間で現実離れした問題を引き起こすこととなる。特に厳しいノルマ主義や、農学的な知見を無視した運営が連作障害や山林の荒廃を招き、水害が頻発する結果を生んだ。また、土壌の消耗や労働者の士気の低下も著しかった。こうした問題は、最終的に国家経済の崩壊を招く要因となった。

この政策は、当時の政治状況における金日成の権力基盤を強化するための重要な試みであったが、実際の成果は期待されたものとはかけ離れたものであった。関連文献には、李佑泓の『どん底の共和国 - 北朝鮮不作の構造』や『青山里の歩み』があり、詳細にこの政策の影響について考察されている。

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