青年イタリア

青年イタリアの概要

青年イタリア（Giovine Italia）は、1831年にジュゼッペ・マッツィーニによって創立された政治結社であり、イタリアの統一を目指した運動の中核を担いました。共和主義にもとづく統一運動を展開し、多くの反乱を試みるも、弾圧によって衰退した経緯があります。

背景

19世紀初頭、イタリアはサルデーニャ王国、両シチリア王国、教皇領、トスカーナ大公国など複数の国家が共存する状況でした。これを統一しようとする声が高まり、イタリア統一運動（リソルジメント）が展開されました。当初は秘密結社カルボナリが主導し、急進的な立憲主義を提唱していました。1866年のナポリを中心にした蜂起で一時的な成果を得ましたが、オーストリア軍の介入によって失敗に終わりました。

結成と思想

ジュゼッペ・マッツィーニはカルボナリと関係を持ちながらも、その秘密主義や組織運営のあり方に不満を抱いていました。彼は、1848年の出来事を経て新たに組織された青年イタリアに、自らの思想を具体化させます。マッツィーニは「イタリア民族を神に選ばれたメシア集団」として語り、行動を通じて国民的決起を目指すべきだと認識しました。

ニューイタリアは、ダンテやマキャヴェリなどの影響を受けた「ローマ復興」を理想として掲げ、国家の統一を進めるための運動が必要であると説きました。この理念のもと、マッツィーニは、ゲリラ戦や革命的行動による統一を重んじたため、青年イタリアの運動に多くの革命的志士が集結しました。

組織構成

青年イタリアは秘密結社という形でスタートし、組織名には「進歩の一つの形式、一つの思想、未来の一つの信仰」が込められていました。党員は原則として40歳以下の者が選ばれ、全員が偽名で活動しました。また、マッツィーニは「一般的教示」において、青年イタリアを「信仰」と捉え、位階制度を排除し、シンボルとして三色旗を採用することを決定しました。

活動と挫折

青年イタリア結成後、マッツィーニらはイタリア中で活動を広げ、1833年にはおよそ6万人の党員を抱えるようになりました。しかし、強い弾圧や蜂起の失敗により運動は次第にしぼんでいきました。特にジェノヴァやトリノでの蜂起は逮捕者を多数出し、マッツィーニ自身もジュネーヴに亡命する羽目になりました。

衰退とその後

運動は次第にすたれ、マッツィーニは1840年に再建を試みるも成功しませんでした。彼のチームは、革命や社会的変革が実現しないまま、歴史の表舞台から去っていくことになります。その後、1849年にローマ共和国が短期間成立するものの、やがて崩壊しました。

最後に

青年イタリアの活動は失敗に終わったものの、彼の思想や理想は、後のイタリア社会運動に引き継がれ、共和主義の根底に影響を与え続けました。マッツィーニは多くの人々に影響を与え、彼の理念はのちのイタリア共和党に引き継がれたのです。

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