青春 (麻丘めぐみのアルバム)

『青春』



麻丘めぐみ1975年7月5日に発表した、通算7枚目のオリジナル・スタジオ・アルバムです。発売元は当時のビクター音楽産業(現在のビクターエンタテインメント)で、LPレコードとして規格品番GX-1004にてリリースされました。

本作は、ヒットシングル「恋のあやとり」とそのカップリング曲「すみれの便箋」を含む、全12曲で構成されています。前作『ロマンへの旅立ち』からはわずか3ヶ月という短い期間で制作された、当時の勢いを感じさせる作品です。

オリジナルLPレコードの大きな特徴は、A面とB面で楽曲の作家陣を意図的に分けた点にあります。A面には作詞家・岡田冨美子と作曲家・浜圭介のコンビによる楽曲が、B面には作詞家・なかにし礼と作曲家・都倉俊一のコンビによる楽曲がそれぞれ収録されました。これは、LPの面ごとに異なる音楽的なカラーや雰囲気を打ち出すことを狙った、当時の音楽制作におけるユニークな試みです。

アルバムのパッケージにも趣向が凝らされていました。付属の歌詞カードは、色彩豊かなカラー写真がふんだんに使用された全8ページのブックレット形式となっており、視覚的にも楽しめる内容でした。また、ジャケット写真で麻丘めぐみが着用している衣装は、後に本人がプライベートなものであると明かしているという興味深いエピソードも残されています。

オリジナルLP盤に収録された楽曲は以下の通りです。

Side A


(作詞:岡田冨美子、作曲:浜圭介

恋のあやとり (編曲:竜崎孝路
鳩時計 (編曲:竜崎孝路
予感 (編曲:馬飼野俊一
トランプ遊び (編曲:竜崎孝路
すみれの便箋 (編曲:馬飼野俊一
ひとりぼっちの午後 (編曲:馬飼野俊一

Side B


(作詞:なかにし礼、作曲:都倉俊一

ダンスをどうぞ (編曲:青木望
街角 (編曲:高田弘
オモチャのお猿 (編曲:川口真
遠い愛 (編曲:高田弘
友達の恋人 (編曲:高田弘
枯葉が散ってしまわないうちに (編曲:青木望

時を経て、麻丘めぐみの芸能生活50周年にあたる2009年、本作は初めてCD化されました。2009年3月25日にリリースされたCDは、『青春 +10』と題され、最新のリマスタリング処理によって高音質化が図られたほか、オリジナルLPの装丁を再現した紙ジャケット仕様で復刻されました(規格品番:VICL-63263)。

このCD版『青春 +10』には、オリジナルアルバム収録曲の全12曲に加え、ボーナス・トラックとしてさらに10曲が追加収録されています。これらは、当時のアルバムには未収録だったシングル曲のA面やB面、そして主要楽曲のオリジナルカラオケ音源です。ボーナス・トラックの冒頭4曲は、作詞をさいとう大三、作曲・編曲を馬飼野俊一が手掛けた楽曲が収録されています。また、CDのトラック構成にはユニークな点があり、12曲目の「枯葉が散ってしまわないうちに」と、ボーナス・トラックの最初の曲である13曲目「美しく燃えながら」の間には、意図的に約10秒間の無音部分(ブランク・タイム)が設けられています。

CD盤『青春 +10』の収録曲は以下の通りです([ ]内は演奏時間)。

恋のあやとり [3:07]
鳩時計 [3:03]
予感 [3:39]
トランプ遊び [2:47]
すみれの便箋 [3:12]
ひとりぼっちの午後 [2:52]
ダンスをどうぞ [2:45]
街角 [3:03]
オモチャのお猿 [2:54]
遠い愛 [3:14]
友達の恋人 [3:07]
枯葉が散ってしまわないうちに [3:48]
美しく燃えながら [3:13] - ボーナス・トラック
夏の終りにきた手紙 [2:51] - ボーナス・トラック
白い微笑 [3:02] - ボーナス・トラック
青いコーヒー・カップ [3:00] - ボーナス・トラック
恋のあやとり -オリジナル・カラオケ- [3:05] - ボーナス・トラック
すみれの便箋 -オリジナル・カラオケ- [3:11] - ボーナス・トラック
美しく燃えながら -オリジナル・カラオケ- [3:12] - ボーナス・トラック
夏の終りにきた手紙 -オリジナル・カラオケ- [2:50] - ボーナス・トラック
白い微笑 -オリジナル・カラオケ- [3:00] - ボーナス・トラック
青いコーヒー・カップ -オリジナル・カラオケ- [2:56] - ボーナス・トラック

発売履歴は以下の通りです。

1975年7月5日 - LPレコード規格品番:GX-1004)
2009年3月25日 - CD(紙ジャケット仕様、リマスタリング、本人インタビュー付、規格品番:VICL-63263)

関連商品として、麻丘めぐみのベストアルバムやボックスセットに本作の楽曲が収録されることがあります。

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