青春の影 (テレビドラマ)

青春の影（1994）

『青春の影』は、1994年7月から9月にかけてテレビ朝日系列「月曜ドラマ・イン」枠で放送されたテレビドラマです。

概要

本作は、愛はなくても金はある青年と、金がなくても愛がある青年、そして彼らを取り巻くティーンエイジャーたちの青春を描いた物語です。一見するとありがちな青春ドラマですが、その内容は当時のトレンディドラマとは一線を画し、かなり異質な作品でした。

あらすじ

主人公は、難病を抱えながらも暴力的な一面を持つ高校生・天野直人（袴田吉彦）と、彼とは対照的に、妹の舞衣に好意を寄せる都立高校生・内村巧（河相我聞）。

直人は、恋人の菅野美紀（小松千春）や仲間たちと日々を過ごす中で、自身の病気や将来への不安を抱えています。一方、巧は姉の瞳（藤田朋子）と二人暮らし。瞳はスーパーで働きながら家計を支えていますが、上司との不倫に悩んでいます。

物語は、直人の病状が悪化していく中で、彼と巧の友情、そして周囲の若者たちの恋愛や葛藤が複雑に絡み合い、予想外の展開へと進んでいきます。

キャスト

天野直人：袴田吉彦
内村巧：河相我聞
天野舞衣：持田真樹
菅野美紀：小松千春
内村瞳：藤田朋子
天野明子：中原理恵
石田博史：内田大介
岡村翔太：高良陽一
宮家康夫：柏原崇
中川稔：本多良平
根本咲子：久野真紀子
つるの剛士
大野三男：内藤剛志
天野忠直：片岡鶴太郎
内村雄二：前田吟

スタッフ

企画：田辺昭知
脚本：君塚良一
プロデュース：田辺昭知、木村純一
演出：多田羅敬二、辻野正人
制作：テレビ朝日、T's Co.,ltd.

主題歌

* 「愛をくれよ」福山憲三

特徴

本作は、従来の青春ドラマとは異なり、若者たちの心の闇や社会問題を扱った、シリアスな内容が特徴です。特に、劇中で描かれる暴力シーンは、当時社会問題となりつつあった「おやじ狩り」を彷彿とさせ、物議を醸しました。

また、主人公が難病を抱えているという設定や、不倫、家庭崩壊など、重いテーマが盛り込まれており、視聴者からは賛否両論の声が上がりました。

評価

本作は、その内容の暗さから、月曜ドラマ・インの中では視聴率が伸び悩みました。また、DVD等のソフト化もされておらず、再放送も一度のみと、日の目を見る機会は少ない作品です。

しかし、その衝撃的な内容と、社会現象を先取りした描写は、一部の視聴者からカルト的な人気を集めています。ノベライズ本は絶版となっていますが、今でも古書店などで見つけることができます。

その他

演出を担当した辻野正人は、当時日活に所属していましたが、脚本家・プロデューサーの両沢和幸が本作品プロデューサーの先輩であった縁で、制作会社の異なる本作品に参加しました。

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