青木一郎

青木一郎

青木一郎（あおき いちろう）は、日本の財務官僚であり、そのキャリアを通じて多岐にわたる要職を歴任しました。彼の経歴は、財務省から内閣官房、そして独立行政法人や民間企業へと広がり、日本の経済・金融政策に深く関わってきたことを示しています。

人物・経歴

愛知県名古屋市出身の青木は、県内有数の進学校である愛知県立旭丘高等学校を経て東京大学文科一類に入学。東京大学法学部を卒業後、1979年に大蔵省（現財務省）に入省しました。同期には、後に財務大臣となる加藤勝信がいます。

入省後、主税局調査課を皮切りに、大阪国税局調査部、大臣官房調査企画課、証券局資本市場課など、様々な部署を経験。1985年には土浦税務署長に就任し、税務行政の現場を学びました。その後も、厚生省年金局企画課長補佐、銀行局総務課長補佐（日本銀行・企画）などを経て、1995年には大臣官房企画官（主税局総務課）に就任。1996年からは地方分権推進委員会事務局参事官として、地方分権改革に携わりました。

1998年には金融監督庁監督部銀行監督課金融会社室長に就任し、金融機関の監督に携わります。1999年に関東財務局理財部長、2000年には内閣官房内閣参事官に就任。2003年からは内閣府沖縄振興局総務課長として、沖縄の振興政策に携わりました。2005年にはスタンフォード大学客員研究員として海外での研究活動を行い、2007年には内閣官房行政改革推進室次長兼内閣官房行政改革推進本部事務局次長として、行政改革を推進しました。

2009年には大阪税関長に就任し、税関行政を統括。2010年には内閣官房内閣審議官（内閣官房副長官補付・室長）兼国土交通省大臣官房審議官として、国土交通行政にも関与しました。2012年には独立行政法人中小企業基盤整備機構理事（財務・資金運用担当）に就任し、中小企業の支援に携わります。2014年には東京税関長に就任し、再び税関行政を統括。2015年に大臣官房付で退官しました。

退官後は、特定非営利活動法人証券・金融商品あっせん相談センター専務理事兼センター長として、金融トラブルの解決に尽力。2019年からは一般社団法人第二種金融商品取引業協会専務理事として、金融商品取引業の発展に貢献しました。2024年からは西日本旅客鉄道株式会社（JR西日本）特別顧問に就任し、その経験と知識を活かしています。

また、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士の資格も有しており、金融・不動産の専門家としての知識も持ち合わせています。

著書・論文等

青木は、その専門知識を活かして、数多くの著書や論文を発表しています。

'Decentralization and Intergovernmental Finance in Japan.' Discussion Paper Series No.08A-04, Policy Research Institute, Ministry of Finance JAPAN（財務省財務総合研究所ディスカッション・ペーパー2008年11月 08A-04)
『税関概説』日本関税協会 2018年
『ADR法10年－その成果と課題』NBL1092号 2017年 山本和彦、青木一郎、垣内秀介、高畑敬信、藤田正人、藤原誠、渡辺晃
『金融ADRの実務』特定非営利活動法人証券・金融商品あっせん相談センター 2019年

これらの著作は、彼の専門分野における深い知識と洞察を示しています。

青木一郎は、財務官僚としての豊富な経験と知識を活かし、退官後も様々な分野で活躍を続けています。彼の活動は、日本の経済・金融の発展に大きく貢献しています。

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