青木孝義

青木 孝義（あおき たかよし）

青木孝義（1897年1月19日 - 1962年1月14日）は、日本の著名な経済学者であり、政治家でもあった。彼は正三位の位階を持ち、日本大学の教授や衆議院議員として3期にわたり国政にも関与した。そして、経済安定本部の第7代総務長官としても著名である。彼の教育背景や政治経歴、著書について詳述していく。

生い立ちと学歴

愛知県南設楽郡平井村（現在の新城市）に生まれた青木は、1920年に日本大学の専門部政治科を卒業した。その翌年、同大学の高等専攻科も修了し、さらに学問を深めるためにドイツに留学した。彼はベルリン大学、ハイデルベルク大学、ゲッティンゲン大学にて金融や経済を学び、経済学博士の学位を取得した。この留学経験は、彼の後の学問や政策に大きな影響を与えた。

帰国後は、日本大学で教授、経済学部長、そして理事としての役職を歴任し、教育や研究に尽力した。彼の知識と経験は、多くの学生や研究者に影響を与えた。

政治活動

戦後、青木は1946年4月の第22回[[衆議院議員総選挙]]で愛知県第2区から日本自由党に立候補し、見事初当選を果たした。その後、愛知県第5区に移り、第23回から第25回の総選挙で3回連続して当選したが、1953年の第26回総選挙には出馬せず政界を引退した。

彼は民主自由党政務調査会長や自由党の総務などの重要な役職を務めただけでなく、第1次吉田内閣では文部政務次官を務めた。また、第3次吉田内閣では経済安定本部の総務長官、中央経済調査庁長官、物価庁長官を兼任し、経済政策において重要な役割を果たした。

死去とその後の評価

1962年1月14日に青木は64歳で亡くなった。彼の死後、勲二等旭日重光章が追贈され、正三位に叙されるなど、国からの評価が高かった。さらに、その年に新城市の初代名誉市民にも選出され、地域社会からも高く評価された。

著書・訳書

青木孝義は多くの著書を残しており、経済学分野の発展に寄与した。代表的な著書には『銀行要論』（1935年）、『貨幣論』（1936年）、『貨幣経済の理論 - 貨幣本質の理論的研究』（1941年）、および『貨幣論新講』（1941年）がある。このような著作は、彼の学問的な洞察を示すものであり、経済学の教育において重要な資料とされている。

また、彼はロバート・ヴイルブラントの『経済思想史概論』やグレゴリー・ビイーンシュトックの『政界経済入門』、エルンスト・ワーゲマンの『貨幣理論』などの訳書もあり、国際的な経済学の知見を日本に伝える役割も果たした。

家族

青木孝義の家族にも彼の影響を受けた人物が多く、長男の青木顕一郎は日本大学の名誉教授、三男の青木恒春は医師であり、板橋医師会会長や東京都医師会の常任理事を務めた。また、孫には青木義男（日本大学理工学部教授）や青木正孝（著述家、音楽評論家）などがいる。

青木孝義は、学問、政治、教育の各分野での功績を通じて、日本の経済学と社会に多大な貢献を果たした。彼の業績は後の世代に受け継がれており、その影響は今なお感じられている。

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