青柳清孝

青柳清孝（1930年9月25日 - 2021年4月19日）は、日本の著名な文化人類学者であり、国際基督教大学の名誉教授でした。彼の研究は、アメリカ社会、特に都市化と黒人家族、そしてネイティブ・アメリカンの文化に焦点を当て、人類学の分野に重要な貢献をしました。

東京で生まれた青柳は、1954年に東京都立大学人文学部を卒業後、同大学院の博士課程を満期退学しました。1956年から1958年にかけては、アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビルのフィスク大学に留学し、異文化への理解を深めました。1980年には、「都市化と黒人ファミリー テキサスからロサンゼルスへ」と題した論文で東京都立大学から文学博士号を取得しています。

1970年、青柳は国際基督教大学教養学部の助教授に就任し、1976年には教授に昇進しました。1996年に同大学を退任し、名誉教授の称号を受けました。その後、京都文教大学人間学部の教授を務め、後進の育成に尽力しました。妻は青柳まちこ。

青柳清孝の著書は、彼の研究テーマを反映したものが多くあります。初期の著作である『黒人大学留学記 テネシー州の町にて』（1964年、中公新書）は、留学経験に基づいた貴重な記録です。また、『アメリカの黒人家族』（1983年、青木書店）は、アメリカ社会における黒人家族の構造と変遷を詳細に分析した研究書として高く評価されています。さらに、『ネイティブ・アメリカンの世界 歴史を糧に未来を拓くアメリカ・インディアン』（2006年、古今書院）では、ネイティブ・アメリカンの歴史と文化、そして現代社会における彼らのアイデンティティを考察しています。

共編著としては、松山利夫との共編による『先住民と都市 人類学の新しい地平』（1999年、青木書店）があり、都市における先住民の存在と課題を多角的に検討しています。翻訳書としては、『人間科学入門』（1965年、学習研究社）や、W.G.サムナーの『フォークウェイズ』（2005年、青木書店）などがあります。

青柳清孝の研究は、アメリカ社会の多様性と複雑さを理解するための重要な手がかりを提供し、文化人類学の発展に大きく貢献しました。彼の業績は、今後も長く参照され、研究者に影響を与え続けるでしょう。

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