青森平野

青森平野の地理的特徴



青森平野は、青森市の中心市街地の大部分を占める平野です。この平野は、堤川、沖館川、赤川、沼川、新城川、野内川といった大小さまざまな河川によって形成されました。これらの河川が運んだ土砂が堆積し、比較的平坦な地形を作り出しています。しかし、その規模はそれほど大きくなく、周辺の山地に囲まれた小規模な平野となっています。

古代からの歴史



青森平野は、縄文時代から人々の生活の舞台でした。小牧野遺跡や三内丸山遺跡などの存在が、この地における古代の繁栄を物語っています。当時の海岸線は現在よりも内陸に入り込んでおり、海岸部には湿地帯が広がっていたと考えられています。

平安時代には、蛍沢遺跡などで稲作が行われていた痕跡が見つかっており、この頃には農耕文化が根付いていたことが伺えます。

中世になると、この地にいくつかの城館が築かれました。15世紀末頃には、南部氏の一族が「堤ヶ浦」に入り、館を開いたとされています。この「堤ヶ浦」付近には、「包宿」と呼ばれる宿場町も存在していました。

近世の発展と港町としての役割



近世初期、青森平野は、大浦氏(後の津軽氏)の支配下に入り、津軽信枚によって青森の町が開かれました。青森は、深沢(青森平野)と外浜(そとがはま)の中心地を兼ねる港町として急速に発展しました。

江戸時代後期には、幕府の北方への関心が高まるにつれて、蝦夷地(現在の北海道)に向かう港町としての重要性が増しました。戊辰戦争の箱館における戦いでは、新政府軍の兵士がこの地から出陣しています。

明治時代に入ると、1871年(明治4年)には青森町に県庁が置かれ、北海道への玄関口として重要視されるようになりました。また、1891年(明治24年)には日本鉄道の上野~青森間が開業し、1908年(明治41年)には青函連絡船が開業、1925年(大正14年)には貨車航送が開始されるなど、本州と北海道を結ぶ交通の中継点としての機能が強化されていきました。

近代から現代へ



1945年(昭和20年)の青森空襲により、市街地の大部分が焼失しましたが、戦後の復興を経て、現在の姿へと発展しました。

中世の青森平野には、「包宿」のほか、農村や漁村が点在し、田畑が広がっていました。青森の町が開かれたことにより、現在の青森駅付近から堤川にかけての地域に市街地が形成されました。明治以降、市街地は東側の栄町・浪打、南側の浦町へと拡大しましたが、現在の東北本線(旧線)よりも南側の地域は、依然として農村のままでした。昭和40年代になってようやく、市街地が東北本線を越えて南側へも大きく広がり、現在に至っています。

現在は、住宅地や田畑として利用されている場所が多く、青森市民の生活を支える重要な地域となっています。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。