青空のある限り

青空のある限り

「青空のある限り」は、日本の人気グループ、ザ・ワイルドワンズによって1967年9月5日に世に送り出された楽曲です。この曲は、作詞を安井かずみ氏が、作曲をグループのリーダーである加瀬邦彦氏が担当しました。ザ・ワイルドワンズの多くの楽曲でギターやコーラスを担当するメンバーが多い中で、この曲ではドラムス担当の植田芳暁氏がメインボーカルを務めている点も特徴の一つです。

音楽性と反響

本楽曲の最大の特徴は、その音楽性にあります。当時としてはまだ珍しかった12弦ギターにファズエフェクトを組み合わせるという、革新的かつハードなサウンドを取り入れており、グループのポップなイメージとは一線を画すアグレッシブな側面を見せました。その斬新なサウンドとアレンジメントは高く評価され、日本のロック史における名アレンジの一つとして現在でも語り継がれています。

この楽曲はリリース後、すぐに多くのリスナーに受け入れられ、ヒットを記録しました。特に、発売から3ヶ月以上が経過した翌年の初頭に日本の音楽チャートとして公式に発足したオリコンチャートにおいて、発足時点ですでに72位にランキングされていたことは、この曲が単なる一過性のヒットではなく、長く人々の心に残る息の長い人気を獲得していたことの証と言えるでしょう。

再アレンジとカップリング

ザ・ワイルドワンズが1981年に再結成を果たした際には、この「青空のある限り」も新たなアレンジでレコーディングされました。このリニューアルされたバージョンは、音楽プロデューサーとして著名な伊藤銀次氏が編曲を手がけており、オリジナルとは異なる現代的なサウンドへと生まれ変わっています。特に、ベーシストである島英二氏の印象的なベース・リフから曲が始まる構成は、新しい「青空のある限り」の大きな特徴となりました。

オリジナルのシングル盤のB面には、「あの人」という楽曲が収められています。このカップリング曲は、作詞を岩谷時子氏が、作曲を加瀬邦彦氏が担当しており、「青空のある限り」とはまた異なる魅力を持つ楽曲として、両A面的な人気を博しました。

主なカバーバージョン

「青空のある限り」は、発表以来多くのアーティストに影響を与え、カバーされる機会も得ています。特に、ザ・ワイルドワンズと同時期にグループサウンズ期に活躍したザ・カーナビーツによるカバーバージョンが知られています。ザ・カーナビーツによるこのカバーは、1992年にリリースされたコンピレーションアルバム『カルトGSコレクション フィリップス編』に収録されており、異なるグループの解釈でこの名曲を楽しむことができます。

「青空のある限り」は、その革新的なサウンド、植田芳暁氏の力強いボーカル、そして時代を超えて愛されるメロディーにより、ザ・ワイルドワンズの楽曲の中でも特に重要な位置を占める一曲であり、日本のポピュラー音楽史においても記憶されるべき楽曲と言えるでしょう。

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