青芝フック・キック

青芝フック・キック：知性派漫才師の軌跡

青芝フック・キックは、昭和後期から平成初期にかけて活躍した漫才コンビです。道頓堀角座を中心に活動し、軽妙なトークと練り込まれた掛け合いで知られる、正統派漫才として高い評価を得ていました。

メンバー紹介

青芝フック (本名：小島 斌)

1938年生まれ。大阪市旭区出身。ボケ担当として活躍しましたが、以前は漫画トリオでツッコミを担当していました。名門・大阪市立東商業高等学校卒業。マルクス兄弟やチャップリンなどの喜劇に影響を受けた独特のヘアースタイルと、鼻の下のヒゲが特徴です。

若くして芸能界入りし、コメディアンとして活躍した後、横山ノック、上岡龍太郎（横山パンチ）らと「漫画トリオ」を結成。その後、1968年のトリオ解散を機に青芝フックと改名、相方を探し、高校の後輩であるキックとコンビを結成しました。

漫才活動以外では、競馬中継の司会や競馬専門誌へのコラム寄稿など、競馬好きとしても知られています。また、勘亭流などの寄席文字やゴルフも得意とする多才な人物です。現在も関西演芸協会に所属し、ピン芸人として活躍しています。

青芝キック (本名：山口 忠郎)

1942年生まれ。フックと同じく大阪市立東商業高等学校出身で、フックの4年後輩にあたります。ツッコミ担当として、フックの軽妙なトークを支えました。劇団を経て商業演劇にも出演した経験を持つキックは、1971年にフックとコンビを組みますが、1996年頃に体調不良によりコンビを解散、芸能界を引退しました。

コンビとしての活動

青芝フック・キックは、高度な話術と抜群のテンポ感を持ち合わせた漫才で高い人気を誇りました。特に、作家・小林信彦氏からも絶賛されたという逸話からも、その芸の高さはうかがえます。

彼らは「ニュース寄席」という、社会風刺を織り交ぜた独自のイベントを定期的に開催。漫才の枠にとらわれない、多様な活動を行っていました。数々のテレビ・ラジオ番組への出演やCM出演、上方漫才大賞での受賞歴も輝かしいものです。

代表的な出演番組としては、NHK「バラエティー生活笑百科」、NHK「新・なにわの源蔵事件帳」、ラジオ大阪「わっしょいスペシャル・ハイ本番! 火曜バチョン」などがあります。

解散後

1996年頃にキックの体調不良によりコンビは解散しましたが、フックはピン芸人として活動を継続。現在もテレビやラジオ番組に出演するなど精力的に活動しています。一方、キックは芸能界を引退し、一般人として生活しています。

まとめ

青芝フック・キックは、高度な話術とテンポの良い掛け合いを武器に、多くのファンを魅了した知性派漫才コンビでした。社会風刺を取り入れた独自のイベントや、漫才以外の活動も積極的に行い、多方面で才能を発揮しました。彼らの活動は、漫才史に燦然と輝く一ページと言えるでしょう。フックの今後の活躍にも期待が高まります。

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