青葉町 (札幌市)

青葉町（あおばちょう）

青葉町は、北海道札幌市厚別区の南東部に位置する、計画に基づいて造成された大規模な住宅団地です。その形状は南北に細長い三角形に近い特徴を持ち、周囲は他の地区や自治体と様々な形で接しています。

地理と周辺環境

青葉町は、北側で札幌市厚別区の厚別中央地区と境を接しており、主要幹線道路である南郷通がその境界の一部を形成しています。東側には野津幌川が流れ、この川を境として同じ厚別区内のもみじ台地区と隣り合っています。南端は札幌市の市境にあたり、北広島市と接しています。このように、青葉町は市境に近い位置にありながら、厚別区南東部の重要な居住区域となっています。

地域の中央部をJR千歳線が通過していますが、青葉町内に駅は設けられていません。近隣の駅としては、新札幌駅や上野幌駅が利用されます。

団地開発と名称の由来

青葉町の歴史は、札幌市の都市拡大と密接に関わっています。戦後、特に1950年（昭和25年）6月30日に厚別地区を含む白石村が札幌市に合併して以降、市は急激な人口増加に直面し、深刻な宅地不足が課題となっていました。このため、厚別地区は新たな住宅用地としての土地開放の強い要請を受けることになります。

しかし、当時懸念されたのは、個々の土地所有者がそれぞれ独自に土地を分譲した場合に、都市計画に基づかない無秩序な開発が進み、将来的な街づくりに支障をきたす恐れがあることでした。この問題意識から、厚別町内の旭町や下野幌地区の住民らは、主体的に協議を重ね、計画性を持った統一的な土地開放を行うべきであるという意向を固め、札幌市に対して計画的な開発の実施を強く申し入れました。

このような住民側の働きかけもあり、札幌市は大規模な住宅団地の開発計画を具体化させていきます。1963年（昭和38年）には、先行して開発が進められていた近隣のひばりが丘団地をさらに上回る規模の新たな団地建設を目指し、その基盤となる土地整備事業が着工されました。

そして、新たな団地の名称が決定されます。1969年（昭和44年）5月1日に正式に告示されたこの団地の名称は「青葉町」となりました。この名称が選ばれた背景には、隣接するひばりが丘地区が「春」の季節を連想させる名称であることから、新たな団地にはそれと対をなすように「夏」の生命力や緑豊かな様子を思い起こさせる「青葉」という言葉がふさわしいと考えられた経緯があります。このようにして、青葉町は計画的な開発と、季節感にちなんだ名称とともに誕生しました。

地域内の主な施設

青葉町には、住民の生活を支える施設が配置されています。教育施設としては、札幌市立新札幌わかば小学校と札幌市立青葉中学校があり、地域の子供たちが学ぶ場となっています。

青葉町は、札幌市の都市拡大の中で、住民の意向も取り入れられながら計画的に整備された住宅団地であり、現在も厚別区の一部として多くの人々が生活を営んでいます。

参考文献

本稿の記述にあたっては、以下の文献を参考にしました。

* 『札幌地名考』さっぽろ文庫1

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