青葉笙子

青葉 笙子（あおば しょうこ）の生涯と音楽の足跡

青葉笙子は、1918年3月21日に宮城県仙台市の裕福な家庭に生まれました。幼い頃に母を亡くし、祖父母に育てられた彼女は、実家にあった蓄音機から流れる流行歌に強く魅かれ、後にその道を志すことになります。特に、彼女の後の師である関種子の歌を聴いてその歌声に感銘を受け、自身も歌手を目指すようになったのです。

彼女の音楽キャリアは1936年に始まります。日本コロムビアが松竹と共同で開催した歌謡コンクールで優勝し、その栄冠を手にしました。このコンクールには岡晴夫や近江俊郎といった未来のスターたちも参加していましたが、青葉は見事に勝ち抜きました。デビュー曲「月の枯尾花」をリリースし、彼女の歌手としての名声は次第に高まっていきます。

しかし、コロムビアでは他の歌手たちが著名であったため、青葉はアドバイスを受け、ポリドールに移籍することとなります。1937年にはコロナレコードで再デビューし、芸名「青葉笙子」を名乗ることとなりました。この名は彼女の地元である青葉城に由来しています。彼女の歌声は早くもヒットを飛ばし、特に「関の追分」は大ヒットとなりました。

その後も、彼女は次々と人気曲をリリースしました。1938年には「鴛鴦道中」が大ヒットし、これが彼女の代表作となります。この曲では上原敏と共演し、二人は「鴛鴦コンビ」として親しまれました。また、この年に彼女は中国大陸に慰問コンサートを行うなど、歌手としての影響力を強めました。

青葉は、1941年には華族の平松時善と結婚し、音楽界からの引退を決意します。彼女の最後のレコーディングは「佐渡の故郷」であり、その後は家庭生活に専念することとなります。戦後、華族制度が廃止されると、青葉は経済的な理由から旧実家を旅館に改装し、経営をすることになりました。

1947年には再び音楽界に復帰し、「春雨草紙」で上原の追悼を行い、他の楽曲もレコーディングしましたが、これまでの感動を届けるには新たな競争が待ち受けていました。1950年代になると、青葉は再び注目を集めるようになり、いくつかのヒット曲も生まれました。しかし、1956年に再度引退し、実業家としての生活に向かいます。

その後の昭和40年代には、懐かしの歌声を求めるファンの前に姿を見せ、また、上原敏の顕彰活動にも力を入れていました。平成に入ると、青葉は再びメディアに現れ、自身の歌手人生を振り返る機会を持ちましたが、晩年には脳梗塞を患い、往年の美声は失われてしまいました。2012年に93歳で亡くなるまで、彼女の音楽と人生は多くの人々に愛され続けました。

代表曲

• - 「鴛鴦道中」(1938年) 共演：上原敏
• - 「関の追分」(1937年・1938年)
• - 「銃後だより」(1938年)
• - 「二人の大地」(1939年) 共演：上原敏
• - 「夢の北京」(1939年)
• - 「鴛鴦春姿」(1940年) 共演：上原敏

青葉笙子の音楽の歴史は、彼女の歌声と共に永遠に日本の歌謡に刻まれているのです。彼女の楽曲は今でも多くの人に親しまれ、その存在は我々の記憶に残り続けています。

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