青蓮寺 (板橋区)

青蓮寺は、東京都板橋区成増にひっそりと佇む真言宗智山派の寺院です。その創建年代は定かではありませんが、本尊として安置されている薬師如来像の作風から、室町時代に創建されたのではないかと推測されています。

歴史

青蓮寺は、かつて高島平付近に位置していましたが、荒川の度重なる洪水に見舞われ、現在の場所へと移転しました。しかし、開山から中興に至るまでの記録が失われてしまっているため、詳細な変遷を辿ることは困難です。

元禄6年（1693年）には、円宗によって中興されました。そのため、歴代住職は円宗から数えられています。しかし、文政末期から大正初期にかけて約100年間住職が不在であった時期があり、その間に多くの文書や記録が散逸してしまったと伝えられています。

大正13年（1924年）には、浅草にあった清光院を合併し、その歴史に新たなページを加えました。

寺宝

青蓮寺には、数々の貴重な寺宝が所蔵されています。中でも特に重要なのは、秘仏として厳重に守られている本尊の薬師如来像です。また、本尊の前立仏である薬師如来立像も秘仏として安置されています。その他、弘法大師坐像2体も大切に保存されています。

境内

境内には、愛宕権現社（山王社）が鎮座しています。この愛宕権現社は、元々成増2丁目にあったものが、都市開発に伴い青蓮寺の境内に移転されました。

交通アクセス

青蓮寺へのアクセスは、東武東上線成増駅から徒歩約15分です。静かな住宅街の中に位置し、訪れる人々に安らぎを与えてくれます。

参考文献

板橋区教育委員会 編『いたばしの寺院 (文化財シリーズ第39集)』板橋区教育委員会、1982年
「成増村 青蓮寺」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ14豊島郡ノ6、内務省地理局、1884年6月。

外部リンク

板橋区公式サイト

青蓮寺は、その長い歴史の中で、荒川の洪水や住職不在の時期など、様々な困難を乗り越えてきました。貴重な寺宝や静かな境内は、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれるでしょう。

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