靖国神社・箱根神社間往復関東学徒鍛錬継走大会

紀元二千六百三年 靖国神社・箱根神社間往復関東学徒鍛錬継走大会

紀元二千六百三年 靖国神社・箱根神社間往復関東学徒鍛錬継走大会は、1943年に開催された大学の駅伝競技です。本大会は、第二次世界大戦の影響を受けた時期に行われた特異な大会として位置づけられ、普通の駅伝とは異なる特殊な背景があることで知られています。この大会は第22回東京箱根間往復大学駅伝競走、通称「箱根駅伝」とも見なされています。

開催の背景

元々、駅伝大会は多くの学生や関係者の期待を集めていましたが、1939年に始まった日中戦争の激化により、1941年には箱根駅伝が中止されました。その後、代替として開催された『明治神宮水泳場前-青梅熊野神社間往復駅伝』は箱根駅伝の公式記録には加えられないものの、駅伝の伝統を保とうとする努力の一環とされました。

1943年に入ると、関東学生陸上競技連盟は国の軍部と交渉を行い、靖国神社と箱根神社を結ぶ往復の経路での駅伝大会の開催を決定しました。これにより、全く新しい形式の駅伝が誕生することとなったのです。公式には「靖国神社箱根神社間往復関東学徒鍛錬継走大会」と名付けられ、晴れて第22回大会として実施されることとなりました。

参加大学

本大会には予選会が設けられず、計11校の大学が参加しました。なかでも青山学院（現在の青山学院大学）はこの大会に初めて出場したことが特筆されます。各大学はこの特異な状況下で精一杯の力を尽くし、参加者全員が一つの目標に向かって走り抜けました。

大会の進行

当日の大会は戦時中であったため、交通手段に制約があり、ガソリン不足から伴走車の数も限られました。このため、自転車による伴走が多数を占め、そこに多くのファンや観客が集まる光景は、逆境を乗り越えた学生たちの頑張りを物語っていました。また、各中継所には観客が詰めかけ、その応援は選手たちにとって大きな励みとなったと伝えられています。

成績

成績に関しては、時間帯ごとに分かれる往路成績と復路成績が記録されていますが、詳細なデータは確認できません。しかし、この大会は、選手たちの団結力とスポーツマンシップを強く印象づけるものとして記憶に留まっています。

脚注と参考文献

この特別な大会についての詳細な記録は、早坂隆の著作「昭和十八年の冬 最後の箱根駅伝」などで確認できます。また、公式サイトには第22回大会に関する情報が掲載されています。

戦時という厳しい状況の中で実施されたこの大会は、運動の持つ力や、学生たちの意欲を象徴した歴史的なイベントとして多くの人々に語り継がれています。

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