静岡鉄道静岡市内線

静岡市内線の概要

静岡市内線（しずおかしないせん）は、静岡県静岡市で運行されていた路面電車で、静岡駅前と安西を結んでいました。この路線は、1922年に開通し、1962年までの約40年間、地元住民に親しまれていました。また、もともとは静岡清水線の一部として設計され、その後独立した路線として運行されました。

歴史の流れ

この路線の歴史は、1922年6月28日に始まります。最初に開業したのは静岡駅前から鷹匠町（現・新静岡）間で、その後の数年間で徐々に延伸され、1929年には完全に安西まで到達しました。当時は安西から鷹匠町を経由して清水市内線の港橋へ接続する路線も運行されていました。このため、利用客は多様な行き先が選べる利便性がありました。

当路線が静岡鉄道となったのは、1943年に行われた戦時中の統合によるもので、この時に藤相鉄道や中遠鉄道と統合されました。その後、1945年には静岡清水線が地方鉄道法に基づき、国の法律で分離されました。1946年には運行が一時休止されるなどの変化がありましたが、最終的には1949年に再開されました。

しかし、時代の変化に伴い、1962年9月15日には全線が廃止されることとなりました。静岡市内線の廃止は、当時の地域住民に大きな影響を与え、その後の交通体系にも影響を及ぼしました。

路線詳細

路線距離は全長で2.0kmで、1067mmの軌間を有していました。また、電化区間は全線が直流600Vで運行されていました。廃止時点の駅は、静岡駅前、新静岡、県庁前、中町、呉服町、金座町、茶町、安西などがありました。これらの駅は、地域の交通を支える重要な役割を果たしていました。

車両と運行

静岡市内線の車両は、廃止時に使用されていたものを考えると、モハ51から59がありました。特にモハ51から53は1925年製のもので、清水市内線から転入した車両でした。モハ55から59は1929年に製造されたもので、旧番号のモハ70から74を改造したボギー車でした。廃止時には、51から53は車体が個人や幼稚園に売却されたり、55から59は清水市内線に転属されたりするなど、運命が分かれました。

結論

静岡市内線は、静岡の歴史とともに成長し、地域の交通手段として長い間利用されていましたが、1962年に廃止されました。この路線の存在は、静岡市の交通の流れに大きな影響を与えただけでなく、地域の人々にとっても思い出深い存在でした。今日では廃線となったものの、その記憶は地元住民の心に今も残り続けています。

もう一度検索