静岡鉄道A3000形電車

静岡鉄道A3000形電車

静岡鉄道A3000形電車は、静岡鉄道が運行する通勤用の電車です。この車両は、静岡清水線で使用されている従来の1000形電車の置き換えを目的に導入されました。形式名の「A3000」は、「Activate（活性化）」、「Amuse（楽しむ）」、「Axis（軸）」の3つのキーワードに由来しています。

2016年3月24日、最初の車両「Clear Blue」が営業運転を開始しました。2022年度までに計24両を導入する計画があったものの、11編成と12編成の導入が遅れたため、2023年度までに全ての編成を揃える予定です。製造は総合車両製作所横浜事業所が行っており、編成はクモハA3000形（モーター車）とクハA3500形（付随車）で構成されています。

初めての車両であるA3001とA3501は、2015年12月15日に富士駅に輸送され、17日に長沼工場に搬入されました。翌日、報道陣向けのセレモニーが行われ、その後試運転を経て営業運転が始まりました。新型車両の導入にあたって、静岡鉄道は特設サイトの開設やカウントダウンボードの設置、様々なイベントなどを通じて広報活動を行いました。また、2017年5月には「鉄道友の会」からローレル賞を受賞しました。

車体の特徴

A3000形電車の車体は、ステンレス製の軽量構造を採用しており、前面が非貫通型となっています。省エネルギー化を図るために、前面と側面の表示器にはLEDが採用されています。また、踏切事故対策として前頭部が強化されています。連結部には転落防止のための幌は設置されていません。

運転台

運転台はT字型ワンハンドルマスコンを採用し、運転士の安全を確保しつつ疲労を軽減する設計になっています。運転室にはモニタリング装置があり、故障時には迅速に対処できるようになっています。前方監視カメラを備え事故防止に役立てられています。

内装とバリアフリー

車内はオールロングシートとなっており、バリアフリーに配慮して車いす・ベビーカースペースを設けています。室内灯にLEDを採用し、室内全体を明るく照らします。また、ドア上には32インチのデジタルサイネージが設置され、行先や路線情報を表示します。広告スペースも用意されており、多彩な情報を提供しています。

主要機器と制御系

A3000形にはIGBT素子を用いたVVVFインバータによる主制御装置が搭載されており、主電動機も高効率な設計となっています。また、ブレーキ方式も進化しており、回生ブレーキによるエネルギー効率の向上が図られています。空調は集中型で、快適な乗車環境を実現しています。

編成とデザイン

2024年に全編成の営業運転が開始され、車両デザインには静岡県をテーマにした色彩が取り入れられた「shizuoka rainbow trains」として知られています。また、無塗装の全面広告車も用意されています。全ての施策により、利用者にとってより親しみやすく、快適な通勤体験を提供することを目指しています。

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