非同盟および発展途上国の平壌映画祭

平壌国際映画祭 (Pyongyang International Film Festival: PIFF)

平壌国際映画祭は、1987年に初めて開催されて以来、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の平壌でほぼ隔年9月に開催されている映画祭です。当初は「非同盟および発展途上国の平壌映画祭」という名称でしたが、2002年以降「平壌国際映画祭」に改称されました。

理念

映画祭は「自主・平和・親善」を理念として掲げています。第三世界の映画産業の強化と発展を図るとともに、ヨーロッパの西側諸国を含む世界各国の進歩的な映画人の参加を奨励し、国際的な親善と団結を促進することを目的としています。最高賞は「たいまつ」金賞です。

歴史

映画祭の開催は、1986年9月にジンバブエで開催された第8回非同盟諸国首脳会議が契機となりました。会議において、加盟国間の親善と文化交流を目的として、平壌での定期的な映画祭開催が提案され、その結果、1987年に第1回映画祭が開催される運びとなりました。

受賞作品 (一部)

映画祭では、劇映画、短編映画、アニメーションなど様々な部門で受賞作品が選出されます。

第1回 (1987年)

メイン会場: 人民文化宮殿
劇映画部門
「たいまつ」金賞: 『トラジの花』(北朝鮮)
「たいまつ」銀賞: 『破片』(リビア)、『罪なき人』(エジプト)
「たいまつ」銅賞: 『これも過去のこととなろう』(ユーゴスラビア)、『母の願い』(朝鮮総聯自主映画)
短編映画部門
「たいまつ」金賞: 記録映画『若き心の人』(キューバ)
アニメーション部門
「たいまつ」金賞: 『盗賊を負かした少年』(北朝鮮)

第2回 (1990年)

メイン会場: 平壌国際映画会館
芸術映画
「たいまつ」金賞: 『幸福の小さな鳥』(イラン)
「たいまつ」銀賞: 『エル・アラゴズ』(エジプト)
「たいまつ」銅賞: 『圧力の下で』(キューバ)
記録映画
「たいまつ」金賞: 『統一の花』(北朝鮮)
「たいまつ」銀賞: 『停留所』(スーダン)
「たいまつ」銅賞: 『原油所有権奪取』(メキシコ)

第3回 (1992年)

メイン会場: 平壌国際映画会館
「たいまつ」金賞
劇映画: 『民族と運命』第一部・第二部(北朝鮮)
記録映画: 『煙におおわれた都市』(ポーランド)

第4回 (1994年)

メイン会場: 平壌国際映画会館
「たいまつ」金賞
劇映画部門: 『葦原』(ベトナム)
記録映画部門: 『かかし』(エジプト)

第6回 (1998年)

メイン会場: 平壌国際映画会館
「たいまつ」金賞
劇映画部門: 『遠い将来の自分の姿』(北朝鮮)
記録映画部門: 『天下第一峰』(北朝鮮)

第8回 (2002年)

メイン会場: 平壌国際映画会館

第9回 (2004年)

メイン会場: 平壌国際映画会館
長編劇映画部門
「たいまつ」金賞: 『母と娘』(中国)
「たいまつ」銀賞: 『映画狂症』(イラン)
「たいまつ」銅賞: 『夢の中のイメージ』(シリア)

第10回 (2006年)

メイン会場: 平壌国際映画会館
長編劇映画
最優秀映画賞: 『エリート養成機関 ナポラ』(ドイツ)

第11回 (2008年)

開催期間: 2008年9月17日 - 26日

平壌国際映画祭は、政治的な背景を持ちつつも、映画を通じた国際交流と文化理解を促進する場として、重要な役割を果たしています。

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