非自発入院

非自発入院とは

非自発入院（ひじはつにゅういん）とは、英語ではinvoluntary commitmentやcivil commitmentと呼ばれ、精神疾患により重篤な状態にあると認定された人に対し、本人の意思に反して、精神科病院での入院治療、または地域社会での外来治療を裁判所が命じる法的手続きのことです。

非自発入院の基準

非自発入院の基準は国によって異なり、それぞれの法律で定められています。多くの場合、緊急入院後に、精神科医などの専門家による評価と状態の安定化が行われ、その期間中に、さらなる入院が必要かどうかが判断されます。

歴史

20世紀初頭には、精神科病院への入院の多くが非自発的なものでした。しかしその後、非自発入院を減らす動きが活発になり、脱施設化（deinstitutionalisation）が進められてきました。

各国の状況

欧米

欧米では、裁判所が外来治療命令を出すことができるコミュニティ治療命令という制度があります。

イギリス

イギリスでは、2007年精神衛生法に基づいて非自発入院が行われます。

日本

日本では、精神保健及び[[精神障害者福祉に関する法律]]に基づいて、精神保健指定医の判断により非自発入院が行われます。非自発入院には、以下の種類があります。

医療保護入院：
非自発入院の基準を満たし、家族等の同意に基づいて行われます。入院期間は原則1年以内です。
措置入院：
非自発入院の基準を満たし、かつ自傷他害のおそれがある場合に行われます。

国際的な動向

国際連合総会決議46/119「精神障害者の保護と精神的健康管理の改善のための原則」では、非自発的入院の手順が示されています。
世界保健機関（WHO）は、「精神医療法：10の原則」を公表し、非自発入院に関するガイドラインを示しています。

その他の入院形態

精神科への入院には、非自発入院の他に、本人の同意に基づく任意入院（自発入院）、緊急性の高い措置入院などがあります。

留意点

医療保護入院は、社会的入院とならないよう、慎重に判断されるべきです。

関連情報

精神保健法
National Mental Health Consumers' Self-Help Clearinghouse（英語）
National Resource Center on Psychiatric Advance Directives（英語）
National Alliance on Mental Illness（英語）

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