革新統一

革新統一（かくしんとういつ）

革新統一とは、1960年代から1970年代前半にかけて、日本で日本社会党と日本共産党を中心とした革新勢力が行った統一選挙運動のことを指します。この運動は、社会主義的な理念を持つこれらの政党が協力し、選挙での候補者を統一することで、より大きな影響力を持とうとした試みでした。

革新三目標

革新統一の中心には「革新三目標」と呼ばれる三つの基本的な目標が存在しました。これらは次のように要約されます。
1. 安保条約に反対し、平和・中立の日本を実現すること: これは、日本が米国の軍事的影響から解放され、平和な国として国際社会に貢献することを目指しました。
2. 憲法改悪に反対し、民主主義を守ること: 日本国憲法の基本的な理念を守り、国民の意見を尊重した政治を推進することを強調しました。
3. 増税・福祉切捨てに反対し、国民生活を守ること: 国民の生活を優先し、福祉政策を充実させることで、社会全体の安定を目指しました。

この三つの目標に加えて、特に重要な附属原則として「暴力学生」を含まないことが約束されました。これは、社会党が時折「暴力学生」を同盟者と見なす場合があったのに対して、共産党が彼らを敵と見なしていたため、意見の不一致が生じました。全国規模での統一協定は結ばれなかったものの、地域選挙では候補者調整が行われました。

歴史的背景

1960年代後半から1970年代前半にかけて、この統一運動は都道府県知事や市町村長の選挙に向けた協力関係の中で進展しました。「明るい革新都政を作る会」といった組織が設立され、親しみやすいシンボルマークを用いて選挙活動を行いました。この活動は、多くの革新自治体を誕生させる原動力となりました。

しかし、1970年代後半には、東京都における部落解放同盟の抗議運動や、横浜市長の飛鳥田一雄をはじめとするリーダーの日本社会党委員長への転身が原因で、革新都政に不安定さが訪れました。これにより、社会党と共産党の間の連携が進まなくなり、社共共闘は多くの地方で崩れていきました。

1980年には「社公合意」により、社会党と共産党との関係は完全に決裂し、その後社会党は社公民路線に進み、オール与党体制へと組み入れられることになりました。一方、共産党は独自の革新共闘のモデルを模索し続けました。

沖縄とその後

沖縄では早い段階から「沖縄革新共闘会議」が結成され、地域の有力な政治家が次々と登場しました。一方で、共産党は2015年以降、民主党や社民党と接近し、最近では「野党共闘」と呼ばれる形で協力を進めています。特に2016年には社民党大会において、共産党の幹部が出席するなど、両者の関係は徐々に改善されつつあります。

このような経緯を経て、革新統一は日本の政治において重要な歴史的な試みとして位置づけられることになりました。

もう一度検索