韋皇后 (唐中宗)

韋皇后（いこうごう）

韋皇后は、唐の中宗の皇后であり、その生涯は激動に満ちています。京兆府万年県（現在の西安市付近）の出身で、韋玄貞の娘として生まれました。しばしば韋后と呼ばれます。

生涯

中宗が皇太子であった頃、韋氏はその妃（継室）となりました。嗣聖元年（684年）、中宗が即位すると、皇后に立てられます。しかし、中宗は生母である武則天に対抗するため、韋后の父である韋玄貞を侍中に任用しようと計画し、これが武則天の怒りを買い、中宗は即位後わずか55日で廃位されてしまいます。

中宗は湖北に流刑となり、韋后はそれに随行します。流刑地に向かう途中で末娘である安楽公主を産みました。韋氏の一族も流刑地で亡くなるものが多く、二人の妹を残すのみとなりました。夫婦は苦難の日々を送りますが、その仲は良かったと伝えられています。中宗は何度も自殺を図ろうとしましたが、韋后がそれを止めたと言われています。中宗は韋后に対し、「もし後日、私が再び皇帝の位につくことができたら、きっとあなたの好きなようにさせて、何の制限も加えない」と誓いました。

聖暦2年（699年）、中宗は武則天によって召還され、再び皇太子となります。しかし、韋后はその後も度重なる不運に見舞われます。次女の永寿公主が早世し、大足元年（701年）には、長男の李重潤と三女の李仙蕙が張易之・張昌宗兄弟について批判めいたことを話したため、武則天によって死を賜りました。

神龍元年（705年）、武則天が譲位し、中宗が復位すると、韋后は武三思らと結託し、従兄の韋温とともに朝政を掌握します。景雲元年（710年）には、自らの即位を企て、安楽公主とともに中宗を毒殺し、温王李重茂（殤帝）を皇帝に擁立しました。しかし、間もなく李隆基（後の玄宗）が政変を起こし、その父である相王李旦（睿宗）が復位します。韋后は殺害され、その身分も庶人に落とされました。

子女

男子：李重潤（懿徳太子）
女子：長寧公主、永寿公主、李仙蕙（永泰公主）、李裹児（安楽公主）

登場作品

テレビドラマ

『則天武后』（1995年）演：郭淑萍
『二人の王女』（2012年）演：蒋林静
『謀りの後宮』（2013年）演：ホー・ツァイフェイ
『武則天 -The Empress-』（2015年）演：席与立

関連項目

* 武韋の禍

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