韓国航空宇宙研究院

韓国航空宇宙研究院（KARI）

韓国航空宇宙研究院（KARI）は、韓国の航空および宇宙開発を進めるための公的研究機関で、未来創造科学部に属しています。この機関は1981年に設立され、その後1989年から本格的な活動を開始しました。同年の10月10日がKARIの設立記念日として認識されています。

研究所と施設

大田広域市の大徳研究開発特区に主要研究所があり、ロケット打ち上げの拠点として「羅老宇宙センター」が運営されています。このセンターは韓国の宇宙ロケット技術の発展を促進する重要な位置にあります。

ロケット開発の歴史

KARIは1990年に固体燃料ロケットKSR-1の開発を開始し、1993年に初の打ち上げを成功させました。1997年から98年には、このロケットを改良したKSR-2の打ち上げにも成功。さらに、将来的な人工衛星打ち上げを見越した液体燃料ロケットエンジンの開発にも取り組み、2002年にはKSR-3の打ち上げが実現しました。

KARIはまた、ロシアのクルニチェフ国家研究生産宇宙センターから技術支援を受けながら、韓国初の人工衛星打ち上げ用ロケット「羅老」を完成させました。初の打ち上げは2009年8月に行われましたが、衛星の搭載に失敗しました。また、2010年には二度目の試みがありましたが、発射137秒後にロケットが爆発し、その結果搭載された衛星も失われました。

しかし、2013年1月には、羅老3号機によるSTSAT-2Cの打ち上げに成功し、韓国の国産ロケットによる人工衛星の軌道投入が実現しました。この成功を受けて、運用はロシアとの契約に基づいて終了しました。

2010年以降、KARIは羅老の後継機となるKSLV-II（ヌリ）の開発を開始し、2022年に成功裏に打ち上げが行われました。

韓米ミサイル指針とその影響

1979年には、アメリカとの協定により韓国のミサイル技術開発が制限され、宇宙ロケット開発にも影響を及ぼしました。しかし、2021年にこの規制が終了すると、韓国は固体燃料エンジンの開発が可能になりました。

国外との協力

KARIは、固有のロケットが完成するまでの間、外国の宇宙機関や企業に依存して人工衛星を打ち上げる必要がありました。例えば、アリラン衛星シリーズは、複数の国のロケットを利用して打ち上げられています。

有人宇宙開発事業

韓国科学技術部のもとで進められた有人宇宙開発事業では、2008年に李素妍がロシアのソユーズに搭乗し、国際宇宙ステーション（ISS）に滞在した経験があります。彼女は韓国人初の宇宙飛行士です。

航空機の研究開発

KARIは無人機や次世代ヘリコプター、高高度飛行船の開発にも注力しており、これらの技術を駆使して様々な航空機システムを推進しています。

予算と財源

2015年度のKARIの予算は約4930億ウォンであり、これを基に様々な研究開発プロジェクトが進行しています。

このように、韓国航空宇宙研究院は、韓国の航空宇宙分野をリードする重要な機関であり、今後の技術革新と宇宙探査の発展に寄与しています。

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