韓国通貨危機

韓国通貨危機（2008-2009年）

韓国通貨危機は、2008年から2009年にかけて発生した重大な経済現象であり、世界金融危機の影響を受けて大韓民国の通貨であるウォンの価値が急激に低下したことから起こりました。本危機は、1997年のアジア[[通貨危機]]に続く深刻な経済試練の一つであり、国際的な金融市場の動揺が韓国国内経済に波及したことが主要因です。

背景と経緯

2008年9月、アメリカにおけるサブプライムローン問題が深刻化し、韓国産業銀行（KDB）がリーマン・ブラザーズの株式取得計画を発表しました。しかしその後、出資協議が打ち切られる事態となり、リーマン・ブラザーズは連邦倒産法第11章の適用を申請し、史上最大の倒産となりました。この出来事は、金融市場に大きな衝撃を与え、特にアジア諸国に多大な影響を及ぼしました。

韓国の金融市場では、ドルの流通が滞り、インターバンク市場で著しいドル不足が発生しました。この状況は韓国の国際収支の悪化と密接に関連しています。2006年頃から資本収支と経常収支が赤字に転じ、その結果、ウォン相場は急落傾向にありました。

ウォンの急落とその影響

2008年10月、ウォンの下落が続くなか、特に中小企業においてKIKO取引と呼ばれるオプション取引を契約していた企業では多くの損失が発生しました。1ドルが1,200ウォンを超えた時点で、これは社会問題化しました。韓国政府は8兆3000億ウォン（約5,810億円）の金融支援を行い、企業の海外投資の自粛などの厳しい外貨規制を敷くことになります。しかし、ウォン相場は更に続落し、10月28日には1ドル＝1465.9ウォンを記録するなど、アジア[[通貨危機]]以来の低水準に達しました。

その後、米国とのドル・ウォン通貨スワップ協定を結び、為替介入を行うことで一時的に相場は持ち直しましたが、2009年初頭には経済のマイナス成長が続き、再びウォン安が進行しました。

日本の対応と批判

日本政府は2008年12月に韓国と300億ドルの通貨スワップ協定を結びましたが、韓国側からは「後手に回った」との批判を受けました。尹増鉉韓国企画財政部長官は、日本の対応が遅かったことをメディアに対して不満を述べました。結果として、韓国側からの要求や意向に対する日本の反応は、当時の政治状況や日韓関係に影響を与えました。

この通貨危機の影響は短期的に留まらず、韓国経済には深刻な傷跡を残しました。また、韓国政府も国際金融市場における資金の流動性を確保するために多くの努力が求められることとなりました。

終息と教訓

最終的に、2015年2月23日に日韓通貨スワップ協定は終了しましたが、この通貨危機は韓国経済だけでなく、アジア全体の経済の脆弱性を露呈させる結果となりました。ウォン相場の変動は経済活動に直接影響を及ぼし、依然として金融政策が重要な役割を果たすことを示しています。今後も過去の教訓を踏まえた経済運営が求められています。

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