韓国鉄道公社7600形ディーゼル機関車

7600形ディーゼル機関車について

7600形ディーゼル機関車は、韓国鉄道公社が2014年に導入した、先進的な電気式ディーゼル機関車です。この車両は、アメリカのGE社が開発したPowerHaulモデルを原型に現代ロテムがライセンス生産したもので、韓国の輸送ニーズに合った仕様となっています。以下では、7600形の特徴や導入に至った背景について詳しく説明します。

導入背景

大韓民国の鉄道庁は、1970年代から複数の型式のディーゼル機関車を導入してきました。具体的には7100、7200、7500形がこの時期に投入され、その後2000年代には7300、7400形が登場しました。しかし、1970年代に運用を開始したディーゼル機関車は老朽化により運用を停止したり廃車となるケースが増え、貨物輸送に必要な車両数が減少するという問題が顕在化していました。

この状況を受けて、韓国鉄道公社は新型の電気式ディーゼル機関車の導入を決定し、2014年6月から9月の間に7601号機から7625号機までの計24両が営業運転を開始しました。さらに、特定の用途に7610号機を旌善アリラン遊覧列車専用にする計画も立てています。

仕様

7600形ディーゼル機関車は、従来大韓民国で導入されていたEMD社の機関車に代わり、初めてGEブランドの機関車として製造されたものです。PowerHaulモデルは他国への輸出も行われており、イギリス、トルコ、オーストラリアなどでも使用されていますが、韓国の鉄道事情に合わせてごく折衷的に製作されています。

制御方式

従来のディーゼル機関車では、エンジンに直結した発電機が供給する電力を用いて直流直巻電動機の接続を切り替え、速度を制御していました。これに対し7600形では、より効率的な交流誘導電動機を採用しています。そのため、VVVFインバーターが使用され、発電された電力はインバーターを介して三相交流に変換され、誘導電動機を駆動します。PowerHaulモデルは、従来型に比べて約9%の燃料節約効果があり、発電制動性能も向上しています。

エンジン

7600形ディーゼル機関車は、従来の2サイクルEMD 645形エンジンから、4サイクルのインタークーラー付き過給機を採用したディーゼルエンジンへと変更されています。このエンジンは、現在の排出ガス規制であるユーロ3aクラスに合致しており、環境への配慮もなされています。

まとめ

7600形デーゼル機関車は、韓国鉄道公社が長年にわたるディーゼル機関車の導入の流れを受けて生まれた新しい車両であり、先進的な技術を採用することで、効率的な貨物輸送が可能となるよう設計されています。この機関車が今後の韓国の鉄道輸送において重要な役割を果たすことが期待されています。

もう一度検索